会社の飲み会などの際にも、幹事は積極的に引き受けましょう。
この「幹事」という役割には、実は仕事のノウハウがぎっしり詰まっているのです。
たとえば、どういう立場の人が出席するか、どういう店を選ぶべきかなど、会の主旨や参加者一人ひとりのことを考えて、細かい気配りをして、という細心の注意が必要です。
立食形式がいいのか、あるいはテーブルがいいのか、座敷がいいのかとか……。
座敷であれば、移動していろんな人との会話がしにくいから、では大きなテーブルでとか、立食で動きやすいようにしようとか、集まるメンバーによって変えなければいけません。
また、出席するグループの長、たとえば部長や社長が好きな料理を選ばなきゃいけないということになるとまた大変です。
それから日程調整や、当日の段取り、みんなを飽きさせないようにちょっとゲーム入れようかとか、関係者への連絡とか、念のため2次会の予約をしておくとか……。
「これはまるで、一つのプロジェクトだなぁ」と、サラリーマン時代、幹事を実際に引き受けてみて思いました。
若い世代で、仕切る経験が少ないうちは特に、真剣にやれば小さなプロジェクトに匹敵するぐらい、身につくものが得られます。
でも、本来の業務ではないから、面倒くさい。誰でも引き受けたくない。何か不手際があると、いや、なくても文句を言われる。
私の知り合いに、必ず幹事を引き受ける人がいました。この人は、自分がデートに使いたい店を、会社の宴会に使ってみてリサーチするんです。言ってみれば、会社の金を使ったデートコースの品定めです。
それだけではなく、会費はみんなから集めますが、支払いは自分のカード払いです。そのお店で貯めたポイントは自分のもの。一括でカードだと何十万円以上になるし、そのうえ幹事は無料なんていうのもある。細心の心配りで宴会を盛りたてて皆に尽くし、その一方で自分のメリットもしっかりといただく……。
ポイント獲得の是非は別として、あらゆる場面で学ぼうという姿勢の表れとも言えます。つねにそういう意識を持ってコトにあたりたいものです。
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