加齢臭や体臭の謎と上手なお洗濯術を専門家に教えてもらいました!
加齢臭と体臭を洗濯ですっきり落とすコツ!
大人の男性は体臭や加齢臭が困りもの。周囲は迷惑だし本人も気になる(マヒしてる人もありますが……)のに、洗濯しても落ちにくい意外と手ごわい相手です。そこでライオン株式会社の生活者行動研究所を訪ね、副主席研究員の松永さんに体臭や加齢臭の謎と上手なお洗濯術について、なんと実演つきで教えていただきました!
体臭ってそもそも何ですか?
ガイド:体臭とよくいいますが、そもそも何なのでしょう?松永:体臭は、汗や、汗と一緒に分泌される皮脂に含まれる物質が主な原因で発生する臭いです。人由来の汚れの7割を占める皮脂には数多くの物質があり、中でも体臭の原因物質の一つは「オレイン酸」といわれています。でもオレイン酸自体は無臭。菌や空気中の酸素によって分解することにより、臭う物質(いわゆる体臭)に変化します。
ガイド:皮脂が多く出るところが衣類でも臭いやすい部分ということですね。
松永:皮脂は皮脂腺から分泌されますが、汗腺に合流して汗と一緒に分泌され、その量は汗腺の多さに比例します。汗腺の多い部分は順に、足の裏、額、手のひら、頭、ワキの5つが代表的です。興奮したり緊張した時に分泌される汗は普通と違って、水分や脂質の他、たんぱく質やアンモニアも含まれ、中でも靴を履いた足は温度や湿度も常在菌にとって最適なので臭いもキツくなります。
ガイド:恐ろしい部分ですね、足! ところで世間では体臭の中でも「加齢臭」もよく話題になります。もちろん臭くて落ちない臭いの代表として!この「加齢臭」って何なのでしょう……?
加齢臭とは?原因は?30才代から要注意!?
「初めて使った時からのケアが大切です」と松永さん。難しい内容を楽しくわかりやすくお話してくださいました。私物のYシャツはさすが襟も真っ白!
ガイド:加齢臭も体臭と同じ皮脂が原因なのですか?
松永:加齢臭については、皮脂の分解物である「ノネナール」という原因物質が10年ほど前に特定されました。また加えてライオンの研究で、30歳前後の男性特有の体臭は同じく皮脂の分解物の「ペラルゴン酸(ノナン酸ともいう)」が原因物質であることを突き止めました。
ガイド:食生活も影響するものですか?
松永:主に体質によるので個人差がありますが、食べ物には、ニオイを作る食材と作らない食材とがあります。肉などの動物性たんぱく質や脂肪は、硫化水素やインドール、スカトールのような悪臭となりやすく、逆に野菜や穀物などはニオイの少ない食材です。日本人の体臭が強くなっているのは、食生活が欧米化して穀物中心から肉食中心に変わってきたと言われています。ですから、食生活である程度改善できる可能性もあります。
ガイド:ガイドのまわりでも夫の加齢臭には悩まさる主婦は多いです。本人はマヒしていて意外と気にしてないかもしれませんが。Yシャツや会社の制服、夫の枕は定番の“臭いが落ちにくい洗濯物”ですよね!
それでは体臭を落とす洗濯術について教えていただきましょう!
加齢臭を洗濯で落とすポイントは洗剤選びとつけ置き洗い
ガイド:衣類についた加齢臭は、普通に洗濯しても何となく残るという人も多い困りものです。ずばり、どうすれば取れますか?松永:普通に洗濯しても取れない臭いを取るには、洗剤のパワーを最大限に引き出せるような使い方が大切ですが、みなさんはご存知でしょうか?
ガイド:それはどういうやり方ですか?
「NANOX」はナノレベルの成分が加齢臭や体臭をすっきり落とし、泡切れ◎なのですすぎも1回でok。香り好きなファンのために、香りを楽しめるタイプの柔軟剤入り超コンパクト液体洗剤が今秋発売されるそうです
ガイド:ところで私の友人から「普通に洗濯しても落ちない臭い汚れには、1回の洗剤量を増やすとよいのですか?」と質問がありました。いかがですか?
松永:洗濯機に投入する量を増やすことはおすすめできません。洗剤を使いすぎても洗浄力は大きくあがりませんし、すすぎでの泡残りの心配もあります。また部分的な汚れに対する効果も期待できません。それよりも洗濯前の部分洗いやつけ置きの方が効果的です。
ガイド:その部分洗いについて、効果的な洗い方を教えてください!
加齢臭の上手な部分洗い術を実演!
汚れが気になる部分に直付けしてお湯へ浸ける
ガイド:酸素系漂白剤なのは、色落ちや生地の傷みが塩素系より少なくて安心だからですね。「漂白剤だけ」「洗剤だけ」でなく両方なのはなぜですか? 片方だけ使う人が多いと思われます。
松永:漂白剤は雑菌を除去したり色素を分解して白くしたりはしますが、汚れを落とす効果は洗剤ほどありません。落ちにくい臭いの元をきちんと落とすためには洗剤を併用すると効果的です。
ガイド:浸け置き時間はどのくらいが適当ですか?
松永:30分から、長くて2時間程度です
ガイド:直接ブラシでこすったりしなくてよいですか?
松永:ブラシは同時に生地を傷めることもあります。今回は洗剤のパワーを使い、じっくり時間をかけることで汚れを落とすんです。温度や洗剤選びに加えて、時間をかけることが上手な部分洗いのポイントです。
ガイド:浸け置きが終わったらどうしますか?
松永:時間が経ったら、他の洗濯ものと一緒に洗濯機へ入れ、普通に洗濯をします。一緒に加える洗濯物の量に合わせて注ぎ足す洗剤量を調整してください。これで終了です。
襟の黒ずみには使い始めからこの部分洗いを!
今回の実演に使ったワイシャツは松永さんがお持ちくださった私物。体臭の残りはもちろん、襟の黒ずみや黄ばみも全然なく驚きの白さです!松永:黒ずみや黄ばみ汚れについて、皆さんがよくやっている失敗は、黒ずみが見え始めてから部分洗いを一生懸命やることです。
ガイド:ありがちですね……。
松永:洗剤量が表示の使用量より少なかったり、衣料の洗濯機への詰め込み過ぎ等、洗濯の条件が悪いと、一見きれいになっていても襟や袖口、ワキなどには細かい汚れが繊維の間に入り込んで残っている場合があります。この汚れが蓄積すると黒ずみになってしまいます。目に見えないうちから漂白剤を使って部分洗いをすれば、黒ずみが残ることはありませんよ。
ガイド:松永さんのワイシャツは本当に真っ白ですね!
松永:これは使い始めて2年以上経っているんですよ。ライフステージごとに自分の持つ衣類を見極めて、その衣類を長く使うことは、とてもエコなことだと思うんです。そのためにも我々もさらに使いやすい洗剤の研究を続けていますし、洗剤を上手に使っていただきたいですね。
ガイド:体臭や加齢臭の謎の解明と対策について、とても実践的でわかりやすい説明をいただき、ありがとうございました!
ところで、今回はナノックスを使いましたが、洗濯用洗剤には粉末、液体、部屋干し用や柔軟剤配合など多くの種類があってどう選んでよいかわからない人も多いようです。そのあたりも伺ってみました>>「洗濯洗剤の上手な使い方」
【関連記事】