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グランドキャニオン国立公園攻略法!見どころ・行き方

グランドキャニオン国立公園は、アメリカアリゾナ州にある世界遺産です。コロラド川が大地を削ったことによりできたこのエリアでは、約20億年前の地層を見ることができるのが特徴です。ラスベガスからもアクセスがいいので、ラスベガスまで行ったら必ず、グランドキャニオンも一緒に訪れてください!

芦刈 いづみ

執筆者:芦刈 いづみ

アメリカガイド

地球の歴史を見よう!ラスベガスの世界遺産、グランドキャニオン国立公園の特徴

20億年の地球の歴史を感じることができるグランドキャニオン国立公園

20億年の地球の歴史を感じることができるグランドキャニオン国立公園

グランドキャニオン国立公園は、アメリカアリゾナ州に位置するアメリカで最も人気のある国立公園の1つです。長さは東西に約500km、広さは約4900平方キロメートル。1919年に国立公園指定され、1979年にユネスコの世界遺産に登録されました。

グランドキャニオン一帯は、約6000万年前に地殻変動が起こり隆起したと言われています。その隆起したエリアをコロラド川が削り、現在のような谷ができました。谷の深さは約1600m。一番下の地層は、なんと約20億年前のもの。

今回は、グランドキャニオン国立公園の見どころやアクセスなど、観光に役立つ情報を紹介します。

<目次>

グランドキャニオン国立公園への行き方

グランドキャニオン国立公園の年間観光客数は約600万人。アメリカで最も観光客の多い国立公園の1つでもあります。ラスベガスから近くセスナや車で簡単にアクセルできるのが、旅行者が多い大きな理由。

■セスナ
最も多くの旅行者が利用するアクセス方法が、ラスベガスからのセスナツアー。飛行時間は約1時間で、フーバーダムやレイクミードの上空を飛びグランドキャニオンエアポートに降り立ちます。

■車
ラスベガスからフリーウェイのUS-93→I-40→AZ-64をドライブし、約5時間。ラスベガスの街を出てしまえば、車通りも多くなく、ほとんどが2斜線程度の道ばかり。アメリカで初めて車を運転する旅行者でも、怖がることなく運転できます。

■バスや電車
ラスベガスから日帰りのバスツアーがあります。また、グランドキャニオンから約2時間南のフラッグスタッフからグランドキャニオン行きのシャトルバスを利用することもできます。フラッグスタッフへは、ロサンゼルスからはアムトラック(電車)、ラスベガスやフェニックスからはグレイハウンド(長距離バス)でアクセス可能。

フラッグスタッフ近くのウィリアムズからは観光用の「グランドキャニオン鉄道」も走っています。

■園内シャトル
グランドキャニオンの主なポイントを巡る無料のシャトルバスが走っているので、園内の移動はバスを使うと便利です。
 

サウスリムとノースリムとグランドキャニオンウエスト

グランドキャニオン国立公園は、コロラド川の南側のサウスリムと北側のノースリムに分かれています。

■サウスリム
グランドキャニオン観光の中心で、一般的なツアーではすべてサウスリムを訪れます。そのため、この記事では、サウスリムだけを詳しくご紹介。

■ノースリム
北側のノースリムは、ツアーやバスなどで訪れることはできず車のみのアクセス可能。また、雪深いため、夏の時期のみ訪れることができます。
 
グランドキャニオンウエストにあるスカイウォーク

グランドキャニオンウエストにあるスカイウォーク

■グランドキャニオンウエスト
約10年前に話題になった「スカイウォーク」と呼ばれるキャニオンに突き出たU字型のガラス張りの橋があるところです。あまり知られていませんが、これはグランドキャニオン国立公園内ではなく、ネイティブアメリカンのワラパイ居留区内にあります。

ラスベガスから、車で約2時間半。また、セスナやヘリコプターのツアーもあります。


 

サウスリムの見どころ! 主なビューポイント

ブライトエンジェルロッジ近くから見たグランドキャニオン

ブライトエンジェルロッジ近くから見たグランドキャニオン

グランドキャニオン観光の中心サウスリム。その中のビレッジと呼ばれるエリアに、主なビューポイントやホテル、キャンプ場、スーパーマーケット、ギフトショップ、レストランが集まっています。ビレッジの東側をイーストリム、西側ウエストリムと呼びます。ここでは、サウスリム内の主なビューポイントをご紹介。

■ブライトエンジェルロッジ
ビレッジの中心にあるブライトエンジェルロッジ。宿泊施設ですが、その中を抜けてグランドキャニオンのサウスリム側に出ると、雄大なグランドキャニオンが姿を現します。初めてのグランドキャニオンでここからのビューを見た人は、あまりのすごさに一瞬声を失ってしまうほど。この周辺には、ショップやレストラン、ホテルなどがあります。

■マーサーポイント
サンセットの時間のマーサーポイント

サンセットの時間のマーサーポイント

キャニオンビューインフォメーションプラザ(ビジターセンター)の近くにあるビューポイントで、朝日のポイントとして有名。ここからグランドキャニオンを見ると、「雄大」や「美しい」という言葉より先に、「地球って、ここにあるんだ。こんなに広いんだ」と思ってしまいます。ガイドが友人たちを連れて行く時は、まずここのポイントからスタートします。

■ヤバパイポイント
グランドキャニオン国立公園の中で最もメジャーなビューポイント。マーサーポイントと並んで朝日のポイントとして有名。ポイントからは、遠くコロラド川にかかる橋、その近くに谷底の宿泊エリアファントムランチ、そしてブライトエンジェルトレイルの途中にあるインディアンガーデンを見ることができます。

■モハーベポイント
園内を走る無料シャトルバスでアクセス可能なウェストリムにあるビューポイントで、サンセットを見るベストポイント。グランドキャニオンに沈む太陽と、その反対側にはサンセットが当たりピンクに染まるグランドキャニオンの壁面の両方を見ることができます。
 
グランドキャニオンの東の端にあるウオッチタワー

グランドキャニオンの東の端にあるウオッチタワー

■デザートビューポイント
グランドキャニオン国立公園の東の端にあるビューポイント。ウオッチタワーと呼ばれる展望台からは、西にコロラド川、東には、平坦な緑の大地を見ることができます。ビレッジよりもコロラド画を近くに見ることができ、東側にはビレッジ内からは見ることができない、平たい大地が広がっています。



■リパンポイント
ダイナミックなリパンポイントからの風景

ダイナミックなリパンポイントからの風景


イーストリムのデザートビューポイントの近くにあり、蛇行するコロラド川がはっきり見えます。ガイドは、グランドキャニオン内のすべてのビューポイントを見ましたが、リパンポイントが最もダイナミック。デザートビューポイントまで行く人は、イーストリムの他のポイントに止まらなくても、このリパンポイントだけには立ち寄ってください!

 

朝日と夕日、そして夜中のグランドキャニオン

朝日を浴びて黄金に輝くグランドキャニオン

朝日を浴びて黄金に輝くグランドキャニオン

お昼のグランドキャニオンは雄大で素晴らしいのですが、朝日と夕日の時間はまた格別。グランドキャニオン内または、近くのトゥシャンの町に滞在している人は、早起きをして朝日を見に行きましょう。

朝日を見るには、ビレッジの東の方にあるマーサーポイントやヤキポイントがおすすめです。朝日を見る時は、以下の点にご注意。
 
  1. 日が昇る30分ぐらい前にポイントに到着することと
  2. 日の出後20分ぐらいはそのままキャニオンを見続けること
  3. そして太陽の方向ではなく、太陽が当たっている逆側(西側)のキャニオンを見ること

太陽の光がグランドキャニオンに当たり始めると、大地が黒から金に変化。そのあと赤、オレンジと変化し、やっと地層の色がはっきり見えてきます。この色の移り変わりが美しく、これを見るためにたくさんの旅行者がこのグランドキャニオンで朝日を見ようとやってくるのです。

日本人は、“初日の出”という文化がありますので、グランドキャニオンに来ても、太陽の昇る瞬間を見て、昇り終わったら帰る人が多いのですが、少しだけ長くいて大地の色の変化を楽しんで!
 
夕方太陽が傾いて、影を作り出す

夕方太陽が傾いて、影を作り出す

夕日は、朝日とは逆に西側のホピポイントやモハーベポイント、ピマポイントがおすすめです。真上からキャニオンを照らしていた太陽が、斜めに傾き、キャニオンの凹凸が影を作り出します。そして、朝日と反対、オレンジ→赤→金と変化し、太陽が沈みます。

真っ暗になった後は、満天の星空が姿を現します。今にも降って来そうなほどの星空がそこに広がっています。今まで一度も天の川を見たことがない人でも、「あれが天の川だ」と分かるほど、天の川がくっきり見えます。

ホテルやギフトショップが集中するビレッジでも十分星空が見えますが、車があれば、光を避け、少しだけイーストリムの方に車を走らせるともっと良く見えます。
 

トレッキングで下からキャニオンを見上げよう!おすすめルートとツアー

ここの風景を見ると誰もがウーアーと叫ぶというウーアーポイント

ここの風景を見ると誰もがウーアーと叫ぶというウーアーポイント

グランドキャニオンは、上のビューポイントから下の谷を見下ろすスタイルの国立公園ですが、自分が歩くことで、大迫力のキャニオンを見上げることもできます。もちろん、自分の足で1600m下のコロラド川まで下りることも可能。

川まで降りるには、普通の体力の人で、行きの下りが平均約6時間、上りが約8時間かかるので、下まで降りたい人は事前の体力作りが必要。
 
1日で谷底まで往復しないように促している看板

1日で谷底まで往復しないように促している看板

トレッキングルートには「1日で、谷底まで往復しないように」という注意書きがあります。往復する人は、自分の体のためにも、コロラド川の下にあるファントムランチで、必ず1泊はしてください。また、トレッキングルートは、対面のノースリムまで続いているので、どちらか片方から降りて逆側に上がってくることも可能です。

トレイルを長時間下りる時は、十分な水と食料を忘れずに。また、サンダルなどではなく、トレッキングシューズが必要です。

グランドキャニオンにはいくつものトレッキングルートがありますが、ここではその中で有名な2つのルートをご紹介します。

■ブライトエンジェルトレイル
グランドキャニオン

ブライトエンジェルロッジ周辺からの眺め。下に見える白い線がトレイル

ビレッジの中心、ブライトエンジェルロッジの近くから出ているトレッキングルートです。トレイルの入り口は、ブライトエンジェルの西、コロブスタジオの裏にあります。

このルートはビレッジ内のアクセスしやすい所にトレイルの入り口があるため、グランドキャニオンの中で最もポピュラーなルート。初めはジグザグで下りて行き、2.4km地点に最初の休憩ポイントがあります。普通の体力の人で、ここまで約1時間。軽くトレッキングを楽しみたい人は、ここで引き返す方がベターです。帰りは最低でも2時間弱はかかります。 谷底に着くまで、4.8km地点と、7.4km地点に休憩ポイントがあります。下まで下りる人はゆっくり休憩しながら下りて行きましょう。

1日観光などでグランドキャニオンを訪問し、1つのビューポイントに短時間しか滞在できない人は、このルートを5分でもいいので下りてみてください。上から見るのとは違い、グランドキャニオンの地層を間近に見ることができますし、壁を見上げることもできるのも面白いです。ちょうど5分ぐらいの所に短いトンネルがありますので、そこを目安にどうぞ。

このトレイルを通って、谷底のファントムランチまで下るミュールツアーもあります。ミュールとはロバとウマをかけ合わせた動物。一見、歩いて下まで下りるより楽そうな感じがしますが、下に到着するまでに6時間ぐらいはかかるし、お尻も痛くなるので、ひょっとしたら歩いた方が楽かもしれません……。それでも人気のツアーなので、数ヶ月前に予約を。

■サウスカイバブトレイル
グランドキャニオン

ダイナミックなウーアーポイントからの眺め

グランドキャニオン国立公園内で最もオススメのトレイルです。理由は、景色がバラエティに富み、30分下りただけで、片面にあった壁がなくなって360度のパノラマが見渡せるからです。 

トレイルの入り口は、イーストリムのヤキポイント近くにあり、シャトルバスでアクセスします。このトレイルの最初のポイントは、約1km地点にあるウーアーポイント。それまで壁沿いだったトレイルの片方の壁がなくなり、ウーアーポイントの直前で視界が大きく開けます。誰もがこのポイントで美しさのあまり、「ウーアー」と叫ぶことからこの名前が付けられた場所。ここから次のポイント、シーダーリッジまでは約15分。ここまで降りるとトイレと水があります。

このトレイルでもコロラド川まで降りることができますが、歩き慣れていない人は、シーダーリッジぐらいでやめた方がベターです。
 

グランドキャニオン周辺に泊ろう!ホテルやモーテルetc…

この建物を抜けると素晴らしい景色が待っています

この建物を抜けると素晴らしい景色が待っています

グランドキャニオン国立公園内にはホテルとキャンプ場があります。また最寄りのトゥシャンの町にはモーテルが数軒あります。

■ホテル
公園内にあるエルトバホテルは、最高級ホテルでアメリカの大統領やハリウッドスターも宿泊します。その他、ブライトエンジェルロッジやサンダーバードロッジ、マスウィックロッジが、ビレッジ内にあります。

■キャンプ場
キャンプサイトにはテーブルとファイヤープレイスがある

キャンプサイトにはテーブルとファイヤープレイスがある


ビレッジ内のスーパーマーケットの近くに、300サイト以上あるマーサーキャンプ場があります。1泊18ドルで、シャワーやトイレ、コインランドリーなども完備。1サイトはとても広く、車数台と1人用のテントなら10個は建てられます(1サイトの定員は6人まで)。4~8月はとても混んでいるので要予約。冬の時期は、テントでのキャンプはかなり冷えるので、キャンピングカーなどが必要です。

■ファントムランチ
ファントムランチとは、グランドキャニオンの谷底にある宿泊施設。ドミトリー形式で、宿泊には必ず予約が必要です。ファントムランチに泊ることは、グランドキャニオンでトレッキングをする人たちの憧れですので、施設は1年中混んでいます。また、近くにはテントを担いで下りる人用のキャンプ場もあります。

■モーテル
グランドキャニオンの最寄りの町トゥシャンにモーテルがあり、ほとんどのモーテルで、ブレックファーストが付いています。また、トゥシャンの町には、スーパーマーケットやシアター、ファーストフード店、レストラン、ガソリンスタンドもあります。
 

レンジャープログラムで自然について勉強しよう

自然の話をしてくれるレンジャープログラム

自然の話をしてくれるレンジャープログラム

国立公園には、レンジャープログラムと呼ばれる、スタッフが自然についてのレクチャーを行うプログラムがあります。参加は無料。シーズン中のグランドキャニオンでは、1日に約10プログラム行われています。時間や場所によってプログラム内容も違い、1つ1つがとても面白いです。
 

モニュメントバレー、アンテロープキャニオンなど周辺の観光スポット

グランドキャニオンは、ラスベガスからアクセスが良く、ほとんどの人がラスベガスと一緒に訪れます。また、グランドサークルと呼ばれる世界でも珍しい地形が集まったエリアのメイン観光地の1つです。グランドサークルをドライブする場合、グランドキャニオンからモニュメントバレーまでは約3時間。アンテロープキャニオンまでは、約2時間半。真っ直ぐな砂漠の1本道のドライブはアメリカの旅の醍醐味。次の旅で、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

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