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利益連動型役員給与の損金算入が可能に?

平成18年4月1日以降開始事業年度から利益連動型役員給与の計上も認められています。これを利用することにより役員の功績に報いることも可能ですが、実際は?詳細はコチラより

田中 卓也

執筆者:田中 卓也

税金ガイド

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そろそろ賞与の季節となりました
前々回のガイド記事では、役員給与の性格を職務執行の対価ととらえ、その結果
・ 職務執行の対価であれば
・ 職務執行の前に
・ 委任契約を
・ 前決めする
ことを条件として、役員賞与も損金算入を認めることとなったことを紹介しました。

今回紹介する、利益連動型役員給与とは、それをさらに一歩おしすすめたものといえます。

商法では一足先に


実は、すでに平成14年の商法改正により、役員報酬については従来の総額明示方式に加えて「その金額を確定しない報酬」も認められていたのです。
具体的な基準例としては「会社の営業利益の5%」あるいは「売上高の1.5%」といった具合です。
その制度の一例を挙げますと
・ 月額報酬に業績連動報酬を反映
・ 年額制報酬に業績連動型賞与を加算
・ 年棒を総資産利益率(ROA)に連動させる役員報酬制度
として、定時定額の支給とすることです。

企業の業績、あるいは役員の貢献度合いに応じて、役員報酬が変動するため、役員の会社に対する成果に従来よりも明確に報いることができます。

商法の立場、税法の立場


では、なぜ今回、税法においても利益連動型役員給与が認められることとなったのでしょうか。それは、商法の立法趣旨と税法に立法趣旨が違うからといえます。
商法の最重要視するところは債権者保護ということです。
したがって、会社の倒産ということは最低限避けたいので、資本の充実ということが要請されます。資本を充実させる最も効果的な方法は毎年毎年利益を計上し続けることになりますので、企業の業績に応じて役員報酬の一部が変動することや役員賞与を計上することはかまわないということもいえます。

しかし、税法において最重要視するところは担税力に応じた課税の公平性です。つまり、税金を負担する能力の大きい人からはより多くの税金を納付してもらうことが、課税の公平性を保つという立場です。

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