株・株式投資/システムトレードの基礎知識

システムトレードの始め方 ステップ2(2ページ目)

特定のルールに従って売買を繰り返す投資法として人気なのがシステムトレードと言われている投資法です。今回は前回の基本編に続き、過去の株価データを用いて検証を行う「バックテスト」についてご説明致します。

西村 剛

執筆者:西村 剛

株式ガイド

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バックテストをやってみよう。

では、バックテストをもっと詳しく説明すると、あるルールについて、
「過去に売買を行うとどのような結果になっていたのか」
を検証することをいいます。

わかりやすくご説明する為に今回は具体的な例をご紹介します。

まず、検証データを元に有効な投資ルールを調べていくのですが、ブレイクアウト系の順張り とします。

「ブレイクアウト」とは、
「ある時点の高値を更新したら買い」という類の投資手法
を言います。
それを踏まえて以下のようなルールを検証(バックテスト)してみましょう。

【買いのルール】
過去40日間の高値を更新したら買い(翌日の始値で買い付け)

【売りのルール】
過去20日間の安値を更新したら決済(翌日の始値で売り決済)
※売買代金等の詳細な条件の記載は省略しています

上記のルールにより、1990年1月~2007年8月6日まで、上場している全銘柄(すべての市場)で実際に売買を行った場合、以下のような結果になっていました。

------------------------------------------
勝ち:584回 負け:1068回 = 勝率:35.4%
1トレードあたりの平均損益:-0.12%
平均保有日数=41.66日
------------------------------------------
※ 順張り:相場が動く方向に沿って売買する方法のこと。
相場の動きに逆らって売買する方法を「逆張り」といいます。

いかがでしょうか?

バックテスト
バックテストを行なうことによって不必要な損失を減らすことができます
1トレードあたりの平均損益が-0.12%ということは、1回売買を行う都度0.12%損するということです。
100万円でこのルールに従って売買したとすれば、1,200円損することになります。

一般に広く知れ渡っているブレイクアウト系の手法も、実際に過去のデータで検証してみると、適当に売買しているのと変わりがないことがわかります。

もちろん、ルールをアレンジすることで成績を向上させることも可能ですが、ここではバックテストの重要性を知っていただくために、あえて簡単なルールを例に挙げて解説させていただきました。
このように、実際の売買で手痛い損失を出す前に、あらかじめその売買手法の有効性を検証できるのがシステムトレードの最大の魅力なのです。

今回は単純なブレイクアウト系の投資手法で、バックテストを解説させていただきました。


次回、引き続きいくつかのルールを取り上げてバックテストを行っていきます。

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