「小規模企業共済制度」とは、「小規模の個人事業主や会社等の役員が、死亡や解散等で事業を廃止したり退職した場合などに共済金を支払い、その後の生活の安定を図る」ために作られた共済制度(昭和40年法律第102号制定)です。

規模が大きな企業が従業員の退職金や企業年金を準備する場合に、税制面で優遇が受けられるように、個人事業主や小規模企業のオーナーも、税制面で優遇を受けながら退職金や年金を準備し受取ることが可能なのです。

「老後は国民年金だけでちょっと不安」と考えている自営業者等にとって、小規模企業共済は不安解消の一手段といえるでしょう。この制度に加入している個人事業主や小規模企業のオーナーは、現在約145万人。着々と老後の準備を進めているようです。


私も加入できる?

この制度は小規模の企業主や自営業者を対象としています。従ってSOHOで開業し1人で頑張っている人にピッタリの制度といえます。

小規模企業共済制度のパンフレットによると加入対象者は、
・常時使用する従業員の数が20人以下(商業・サービス業は5人以下)の個人事業主及び会社の役員
・事業に従事する組合員数が20人以下の企業組合の役員
・常時使用する従業員の数が20人以下の協業組合の役員

です。従業員に家族や臨時雇用者は含まれません。


いくら掛けるの?

この制度は共済制度です。掛け金の正式名称は「共済金」といい、金額は1,000円~70,000円(500円刻み)で経営状態に合わせて自由に決めることができます。積立途中で増額したり、一定の要件を満たした場合は減額することもできます。

納付方法は、口座振替です。毎月払い・半年払い・年払いの中から選択します。前納した場合は次のような割引が受けられます。

  2.1
 —————×掛金月額×(前納月数の累計)
 1,000

【例】

毎月3万円の掛金で契約。1月に1月から12月までの12ヶ月分=36万円を納付した。
→ 前納は2月から12月までの11ヶ月分となるので割引額は

 30,000円×66ヶ月×2.1÷1,000=4,158円

〔前納月数の累計の計算方法〕
 1月 2月 3月  4月  5月  6月・・・・・・・11月 12月
 ↓  ↓ ↓  ↓   ↓  ↓        ↓  ↓
(前納月数)
0ヶ月 1ヶ月 2ヶ月 3ヶ月 4ヶ月 5ヶ月・・・・・・10ヶ月 11ヶ月

前納月数累計=1+2+3+4+5+6+7+8+9+10+11=66ヶ月
*前納した月数が12ヶ月を超える場合は12ヶ月として計算する。

年払を選択すると、前納月数累計は66ヶ月。1ヶ月の掛金が1万円の場合、1,386円が割引(=1.155%)されます。

納付日を過ぎて共済金を納付する場合には、後納割増金が加算されます。また12ヶ月以上滞納した場合は契約解除となりますので注意が必要です。


一時停止もできる

一抹の不安、それは「収入減で納付できないこと」。大丈夫です。「所得がない・災害にあったり入院した」など収入が減少する(した)場合には、6ヶ月または12ヶ月掛金の納付を停止することができます。


運用は?

共済金の運用は、国が全額出資している中小企業総合事業団が、国が定めた方法に従って行います。投資先は、国債や地方債、政府保証債などの債権や金銭信託などで、元本保障のない株式への直接投資や不動産への投資は許されていません。


どこに申し込むの?

加入したいと思ったら
・商工会議所
・商工会連合会や市町村の商工会
・中小企業団体中央会や中小企業の組合
・青色申告会
・金融機関の本支店

など、中小企業総合事業団と業務委託契約をしているところで申込み手続きを行います。


貸付制度は?

「急に資金が必要」という時に利用できる嬉しい貸付制度——納付月数により掛金の7割~9割の範囲内——もあります。種類は、一般貸付、傷病災害時貸付、創業転業時貸付、新規事業展開等貸付、福祉対応貸付等があります。

担保や保証人は不要。返済方法は6ヶ月毎の元金均等割賦償還(一部異なることもある)です。貸付利率は貸付実行時の適用利率で固定です。平成12年4月以降の適用利率は
・一般貸付……3%
・傷病災害時貸付……1.6%
・創業転業時貸付……2.1%
・新規事業展開等貸付……2.1%
・福祉対応貸付……1.6%

利息の支払い方法がなじみの少ない「前払い制」ですので注意しましょう。



【関連記事】
予定納税でご褒美?!


【関連サイト】
小規模企業共済について
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。