2005年10月1日、日米社会保障協定が発効しました。これによって、米国年金を受給できる人がいっきに増え、「今後10年間で5万人前後になる」(日本経済新聞2月21日付)と見られています。1940年以前に生まれた人は、米国年金受給権が既に発生しています。さあ、両親やパートナーに米国勤務経験者がいないか直ぐにチェックしましょう。

日米社会保障協定の発効は企業と社員に大きなメリット

合衆国年金の請求申出書
米国年金を受給するために提出する「合衆国年金の請求申出書」です。社会保険事務所に置いてあります。
日本企業から米国に駐在員や指導員、出向等の形で派遣されている人はかなりの数にのぼり、その大部分は社会保障税を納付しています。米国勤務期間は3~5年程度という人が多く、米国年金受給資格「40クレジット」の条件を満たす人は稀有で、ほとんどが社会保険税は掛け捨て、米国年金を受給できないという状況でした。「米国の社会保障制度に加入し年金保険料を納付していながら年金が受給できない」こんな無駄・矛盾を解消したのが、日米社会保障協定です。

2005年10月1日発効の日米社会保障協定により日米での年金加入期間が通算されることになり、保険料の二重納付と保険料の掛け捨ての問題が解消されることになりました。


2005年9月までの駐米経験者には米国年金のプレゼントが

この協定によって、企業は保険料の二重負担から開放されました。また、2005年9月以前に米国で勤務経験のある人(米国の社会保険制度加入者)は「40クレジット」の壁が取り払われ、米国年金受給の可能性の道が開かれました。ただし、米国年金を受給するには
  • 米国年金で6クレジット以上を取得していること。
  • 日米の年金制度に通算10年以上加入していること。

の条件を満たさなければいけません。
<クレジットとは>
クレジットとは
「社会保険庁 アメリカ年金制度の概要」より抜粋

日本企業に入社し1979年から1982年までの4年間米国駐在員として派遣、帰国後同じ会社に勤務し定年退職した人の場合は:
<日米年金制度二重加入のイメージ>
日米年金制度二重加入のイメージ
「日米社会保障協定であなたももらえる!!アメリカの年金」生田ひろみ・大橋加代子他2名の共著(中央経済社発行)を参考に作成

<受給できる年金は>
受給できる年金は
「日米社会保障協定であなたももらえる!!アメリカの年金」生田ひろみ・大橋加代子他2名の共著(中央経済社発行)を参考に作成


準備はお早めに!

「合衆国年金の請求申出書」裏面
「合衆国年金の請求申出書」裏面です。米国年金の仕組みや受給までの流れがよくわかります。
米国年金を受給するには、まず近くの社会保険事務所を訪ね「合衆国年金の請求申出書」をもらいます(社会保険庁のサイトからもダウンロードできます)。「合衆国年金の請求申出書」裏面の説明や、社会保険事務所での説明を参考に「申出書」に記入し、必要書類を添付して社会保険事務所に提出します。これで仮申請は終了です。受給開始はまだまだ先であっても、申請には時間がかかること、必要な個人情報を準備する時間が必要なことから、早めに社会保険事務所に足を運ばれることをお勧めします。


なお、米国年金は日本の年金と同じように、受給開始年齢が生年月日によって異なり、配偶者への年金や遺族年金、障害年金なども整っています。これらについては第2回でお知らせします。

【参考図書】
(株)中央経済社発行『日米社会保障協定であなたももらえる!! アメリカの年金』(生田ひろみ・大橋加代子・板橋靖久・前田幸作(著)

【関連リンク】
  • 「日米社会保障協定 申請書一覧(年金請求手続き)」については
    こちら
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。