目的・目標額・期間を明確に決めよう
人は欲望に弱い生き物です。あなたは、目的もないのに、毎月数万円を定期的に貯金できますか? 私には無理! ダメだとわかっていても「今月は特別。来月はちゃんと貯めるわ!」と言い訳しつつ、自由に使えるお金のほとんどを使ってしまいそうです。それも「使っちゃいけないのに……」と罪悪感を持ちながら……。それを防ぐには、貯蓄の「目的」「目標額」「期間」を決めればいいのです。それも明確に!【1】毎月貯めるには「明確な目的」が必要です。
「結婚資金」「毎年台湾で美味しい中華を食べる」「住宅購入の頭金」「海外留学」などなど、目的はいくつあっても、いえいえたくさんあるほうが貯める気力が湧くと言うものです。
【2】目的を達成するために必要な金額(目標額)を決めましょう。
目的を達成するためには、いくら必要ですか? 「そんなものさっぱりわかりませ~ん」という人は、様々なアンケート調査結果から浮かび上がった次の金額や友人・知人のお話を参考にお決めください。
- 病気や不時の災害への備え:生活費の1年分(少なくとも6ヶ月)
- 教育資金:大学に進学する場合には、大学入学までに500万円
- 老後資金:年金や資産によって異なるが退職時に2500万円~3000万円
- 住宅取得資金:購入物件の3割
- 増改築費用:バリアフリーを含むリフォームでは500万円程度
- 結婚資金:結納~新婚旅行まで400万円程度、新生活準備に150万円程度
教育資金、住宅取得資金、老後資金については、数字の頭に「少なくとも」をつけて考えましょう。
【3】期間を決めましょう。
「いつ実現したい?」と自分に問いかけると、3年後、5年後、10年後…、おのずから貯蓄期間は明らかなるはずです。ここはしっかりイメージしてください。
【4】目標額と期間が決まったら、毎月貯める金額が決まります。
教育資金を例に考えて見ましょう。目的、目標額、期間、積立金額は次のようになります。
- 目的:大学の教育費
- 目標額:500万円
- 期間:15年間(0歳~15歳まで)
- 貯蓄額:500万円÷15年÷12ヶ月=約2.8万円(積立期間を15年(中学卒業まで)に設定したのは、高校から教育費が増加するため)。
地方自治体に申請すれば、0歳~12歳まで「児童手当」が支給されます。支給額は、第1・2子は0歳~3歳到達月まで10,000円/月、3歳以降12歳に到達して最初の3月31日まで5,000円/月、第3子以降は0歳~12歳に到達して最初の3月31日まで10,000/月です。第1・2子の支給総額は900,000円(10,000円×12ヶ月×3年+5,000円×12ヶ月×9年)、これを教育資金に充当すると、別途毎月の積立額は約2.3万円になります。
強制貯蓄と自発的貯蓄を組み合わせてスピードアップ
毎月の積立を自力で行うのは、強靭な意志と時間が必要ですが、「とってもやってられない!」というのが実情でしょう。そんな意思と努力は必要ありません。給与天引きや金融機関の自動積立、集金などを利用すればいいのです。これが強制貯蓄で、貯蓄の王道です。自発的貯蓄は、「予算より支出が少なかった」や「財布の小銭」「○○したつもり」「キャッシュバック、ポイントバック」「割引」「頂き物」などを現金換算し、ビンや貯金箱などに貯めるものです。ナント自発的貯蓄で、1年間に10万円程度ためる人も少なくありません。チリツモ貯蓄、コツコツ貯蓄を侮ってはいけません!
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