貯蓄/貯蓄に役立つニュース

人生の3大出費に必要なお金、目標額を確認

人生の3大資金――老後資金・教育資金・住宅取得資金――は、いったいどのくらい必要なのでしょうか。様々な調査結果を基に目安額を考えました。

大沼 恵美子

執筆者:大沼 恵美子

貯蓄ガイド

  • Comment Page Icon

3大出費とは何?いくらかかるの?

かかるお金を計算してみませんか

かかるお金を計算してみませんか

人生の3大出費って? 誰にでもやってくる老後資金がひとつ。あとのふたつ――教育資金・住宅取得資金――はライススタイルや諸事情によって必要だったり不要だったり……。それぞれどのくらい必要なのでしょうか。教育資金と老後資金を中心に、様々な調査結果を基に考え方と計算手順をお知らせします。

■教育資金
住宅購入資金はこちらから
老後資金はこちらから


幼稚園~高等学校の学習費総額、オール公立500万円、オール私立1677万円

子ども一人当たりの教育費は「親がどのような教育を受けさせたいか」や「こどもが進学したい学校」などによって大きく変わりますが、希望する教育を受けさせるためにはある程度の資金を準備しておく必要があります。子ども一人が幼稚園から大学卒業までに教育費はいくら位かかるのでしょう。先ず、幼稚園(3歳)~高等学校(3学年)にかかる教育費を「平成24年度子供の学習費調査結果の概要」(文部科学省)から見ていきましょう。

幼稚園は公立約23万円・私立約49万円、小学校は公立約31万円・私立約142万円、中学校は公立約45万円・私立約130万円、高等学校(全日制)は公立約39万円・私立約97万円かかっています。

「平成24年度学校基本調査報告書」(文部科学省)によると、生徒数全体に占める私立の割合は、幼稚園82%、小学校1.2%、中学校7.1%、高等学校(全日制)31.2%ですので、幼稚園のみ私立、小学校から高等学校は公立というコースが多いのではないでしょうか。幼稚園のみ私立の場合の教育費総額は約580万円、幼稚園と高等学校が私立の場合では約753万円になります。因みに、オール公立では約500万円、オール私立では約1677万円になります。

【幼稚園~高等学校にかかる学習費総額】
  • 幼稚園   公立23万100円  私立48万7427円(公立の2.1倍)
  • 小学校   公立30万5807円  私立142万2357円(公立の4.7倍)
  • 中学校   公立45万340円  私立129万5156円(公立の2.9倍)
  • 高等学校  公立38万6439円  私立96万6816円(公立の2.5倍)
  •  

小学校では学校外教育費が約70%

「公立でもこんなにかかるの!」と驚くような金額です。実はこの金額には、学習机や参考書の購入費、家庭教師、通信添削等の通信教育、塾費用、ピアノや水泳などの習い事、体験活動費などの学校外活動費が含まれているのです。これが公立の小学校では実に68.1%、金額にして20万8575円にも上ります。学習費総額に占める学校外活動費の割合は次の通りです。

【学習費総額に占める学校外活動費の割合】(それぞれの学習費総額を100とする)

幼稚園   公立35%   私立24.6%
小学校   公立68.1%  私立39.3%
中学校   公立62.8%  私立22.7%
高等学校 公立40.3%   私立25.3%

学校外活動費は考え方次第でどの様にもなります。子どもの希望や才能、家計の状況などから適切な活動を取捨選択し、無駄な支出は削り、その分を将来の教育資金に回しましょう。

教育資金の目標額は500万円

「2015年 家計簿からみたファミリーライフ」(総務省)によると、1世帯が年間に支出する教育関連費は、30歳代は19万8566円、40歳代は47万6374円、50歳代は49万5922円。多くの世帯では、高等学校までの教育費を生活費から支出しています。したがって、教育資金として準備するのは大学入学から在学中にかかる費用で、子どもに恵まれたらすぐに500万円を目標に教育資金作りに着手する人が多いようです。では大学4年間に係る教育費を見てみましょう。

国公立大学の入学金と授業料の合計額は約243万円、公立大学は若干高く約255万円です。別途実験費や施設費等が必要な場合がありますので事前に確認しましょう。一方私立は、文系では約386万円、理系は約519万円、医歯系は約2281万円、その他の学部は約503万円かかります。最近は大学院への進学や就職留年、海外留学等が増えていますので、在学中の費用がこれより膨らむ可能性も少なからずあります。

[大学の入学金・授業料・施設設備費]
●入学金
国立大学         28万2000円
公立大学         39万7721円
私立文系         24万6749円
私立理系         26万5595円
私立医歯系       103万6391円
私立その他の学部   27万1318円

●授業料と施設設備費  
授業料       施設設備費
国立大学         53万5800円       -
公立大学         53万7857円       -
私立文系         74万2478円     16万19円
私立理系        1,04万3212円     18万7236円
私立医歯系        276万4631円     86万3538円
私立その他の学部   94万6556円     24万4073円

*国立大学は文部科学省令による標準額。法人化により大学間で差がある。
*公立大学は「平成26年度学生納付金調査」(文部科学省)より
*私立大学は「平成25年度私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額調査」(文部科学省)より
自宅外通学の場合は、家賃や生活費等の仕送りが別途必要になりますので、少し多めに準備しておきたいものです。

住宅購入資金の貯蓄目標額については次ページ

  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます