3つの特例措置とは
これらの救済措置が年金を更に複雑にしている |
■昭和5年4月1日以前に生まれた者の特例
昭和5年4月1日以前生まれの方は、国民年金スタート時(昭和36年4月1日)にある程度の年齢に達していて、60歳までの加入期間が短くなる為の措置です。
例えば昭和5年2月生まれの方は、国民年金がスタートした昭和36年4月に既に31歳になっており、20歳から60歳の40年間で25年という受給期間と比べかなり厳しい条件となります。そのために救済措置が必要となるわけです。
具体的には
大正15年4月2日~昭和2年4月1日生まれ 加入期間 21年
昭和2年4月2日~昭和3年4月1日生まれ 加入期間 22年
昭和3年4月2日~昭和4年4月1日生まれ 加入期間 23年
昭和4年4月2日~昭和5年4月1日生まれ 加入期間 24年
(加入期間は国民年金の保険料納付済期間、保険料免除期間及びカラ期間(合算対象期間)を合わせた期間となります)
■被用者年金(厚生年金・共済年金)制度の加入期間の特例
これは、前のページでも触れたように、旧法時代には被用者年金制度で老齢年金の受給期間は20年で良かったものが、新法になり25年必要となったわけですが、被用者年金に加入している方にとっては、かなりの不利益になるため一気に引き上げるのではなく、徐々に引き上げる一種の経過措置と言えるでしょう。
昭和27年4月1日以前生まれ 加入期間 20年
昭和27年4月2日~昭和28年4月1日生まれ 加入期間 21年
昭和28年4月2日~昭和29年4月1日生まれ 加入期間 22年
昭和29年4月2日~昭和30年4月1日生まれ 加入期間 23年
昭和30年4月2日~昭和31年4月1日生まれ 加入期間 24年
(加入期間は厚生年金保険(船員保険を含む)の被保険者期間、共済組合の組合員期間等が単独で、あるいは合算して上記の期間になることが必要です)
■厚生年金の中高齢の特例
旧法の厚生年金保険は男性40歳、女性35歳以降の加入期間について20年なくても15年から19年で受給期間を満たすという特別サービスを行っていました。この権利は新法でも保障しています。これも既得権の保護の一環ですね。
昭和22年4月1日以前生まれ 加入期間 15年
昭和22年4月2日~昭和23年4月1日生まれ 加入期間 16年
昭和23年4月2日~昭和24年4月1日生まれ 加入期間 17年
昭和24年4月2日~昭和25年4月1日生まれ 加入期間 18年
昭和25年4月2日~昭和26年4月1日生まれ 加入期間 19年
(上記の被用者年金制度の特例とは違い、厚生年金の加入期間に限られています。)
厚生年金の中高齢の特例に注目
25年に少し足らない場合なら、任意加入することで25年を満たすことが可能ですが、この特例措置を満たすことでも年金を受け取りすることが可能になります。特に「厚生年金の中高齢の特例」については、25年に最大10年足らない場合でも年金を受け取ることが可能となります。受給資格期間に足らないとあきらめている方も是非確認していただきたいと思います。そして、この「厚生年金の中高齢の特例」は超お得な制度になっています。この制度の詳しい説明は次回の記事でご説明します。お楽しみに!
【関連記事】
年金を貰うために「カラ期間」をチェック!
【関連リンク】
年金の受給資格期間について