年金/厚生年金の仕組み

タイムサービスの「特別支給の老齢厚生年金」とは?(3ページ目)

厚生年金には、65歳から終身受け取れる年金と、60歳から64歳まで受け取れる年金があります。後者を「特別支給の老齢厚生年金」といいますが、期間限定のため受け取れる人と受け取れない人がいます。生年月日などの受給資格についてまとめました。

和田 雅彦

執筆者:和田 雅彦

年金ガイド

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特別支給の老齢厚生年金を「全て」あるいは「一部分だけ」受け取れる人

特別支給の老齢厚生年金を受け取れる人であっても、「全て」受け取れる人と「一部分だけ」受け取れる人が存在します。それぞれの要件は以下の通りです。

●全て受け取れる人
男性:昭和16年4月1日以前生まれ
女性:昭和21年4月1日以前生まれ

●一部分だけ受け取れる人
男性:昭和16年4月2日~昭和36年4月1日以前生まれ
女性:昭和21年4月2日~昭和41年4月1日以前生まれ

生年月日によって「一部分だけ」の中でも差がある

「一部分」の範囲も、生年月日により違います。図で表すと下記のようになります。まず1階部分の支給開始がずれ込んでいきます。
厚生年金支給イメージ(昭和16年4月2日~昭和18年4月1日以前生まれの男性、昭和21年4月2日~昭和23年4月1日以前生まれの女性)

厚生年金支給イメージ(男性:昭和16年4月2日~昭和18年4月1日以前生まれ、女性:昭和21年4月2日~昭和23年4月1日以前生まれ)

1階部分の支給がなくなった後、報酬比例部分(2階部分)の支給開始がずれ込みます。
厚生年金支給イメージ(男性:昭和20年4月2日~昭和34年4月1日以前生まれ、女性:昭和25年4月2日~昭和39年4月1日以前生まれの女性)。男性と女性で5年間のズレがある

厚生年金支給イメージ(男性:昭和20年4月2日~昭和34年4月1日以前生まれ、女性:昭和25年4月2日~昭和39年4月1日以前生まれの女性)。男性と女性で5年間のズレがある

そしてと2階部分がたった1年だけしか受け取れなくなってしまいます。
厚生年金支給イメージ(男性:昭和34年4月2日~昭和36年4月1日以前生まれ、女性:昭和39年4月2日~昭和41年4月1日以前生まれの女性)

厚生年金支給イメージ(男性:昭和34年4月2日~昭和36年4月1日以前生まれ、女性:昭和39年4月2日~昭和41年4月1日以前生まれの女性)。タイムサービスもいよいよ終わりに


なお、これ以降の生年月日の人(男性:昭和36年4月2日以降、女性:昭和41年4月2日以降)は、まったく受け取れなくなる仕組みです。

今の50代は受け取れても「一部分だけ」

昭和30年代生まれである50代の皆さんの多くは、この特別支給の老齢厚生年金を「一部分だけ受け取る人」、「まったく受け取れない人」に該当します。自分が何歳から受け取れるのかをしっかり把握して備えを考えたいものです。

【関連サイト】
特別支給老齢厚生年金請求に必要な書類(配偶者有編)
特別支給の老齢厚生年金請求に必要な書類(単身者編)
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