給料と年金と雇用保険の関係
今年60歳を迎える男性は61歳からしか年金が支給されないため、給料と年金と雇用保険、3つの調整は61歳からとなる
・給料
・年金(全部または一部カットされる場合あり)
・雇用保険の高年齢雇用継続給付(給料が一定以上ダウンしている場合)
まず、給料を受け取りながら年金も受け取る場合については、在職老齢年金制度により、年金が全部または一部カットされることがあることに注意してください。
また雇用保険については、再雇用時に給料がダウンした場合に一定の要件を満たせば、給付を受けとることができます。
そして年金と雇用保険を同時に受け取る場合、年金がさらにカットされます。
給料と年金と雇用保険、結局いくら受け取れるか?
ということで、シミュレーションをしてみたいと思います。今年60歳の定年を迎えるAさん(女性)は、定年後も再雇用という形で、同じ会社で勤務することになりました。・給料は月48万円から24万円にダウン
・年金は60歳から年額120万円受け取れる
このケースで見てみましょう。
■在職老齢年金による年金カット
まず年金については、先ほど言ったとおり、60歳以降も働きながら年金を受け取る場合、年金の一部がカットされます。これを在職老齢年金制度といいます。
Aさんの場合、給料が24万円(ボーナス無し)で、年金額が120万円(月額10万円)です。在職老齢年金制度によるカット額を求める計算式((給料+年金月額)-28万)÷2)に当てはめると、3万円となります。
したがって、実際に支給される年金は、10万円-3万円=7万円となります。
■雇用保険による高年齢雇用継続給付
高年齢雇用継続給付は、雇用保険の被保険者だった期間が5年以上の人で、60歳以後の給料が60歳までの給料に比べて75%未満にダウンした場合、最高で60歳以後の給料の15%を支給するというものです。
Aさんが被保険者期間が5年以上あったとして計算した場合、48万円から24万円にダウンしてますから、24万円の15%=3万6000円が支給される計算になります。
■年金と雇用保険の併給する際の調整
そして、給料を受け取りながら年金をもらい、さらに高年齢雇用継続給付を受け取る場合は、年金がさらにカットされることになります。
調整額は給料の6%。このケースですと24万円の6%=1万4400円。本来の年金月額10万円から「在職老齢年金のカット分3万円」と「高年齢雇用継続給付のカット分1万4400円」の2段階の調整があるということです。
したがって、最終的なAさんの受取額(額面)は次のとおりです。
・給料 24万円
・年金 5万5600円 <10万円-(3万円+1万4400円)>
・雇用保険(高年齢雇用継続給付) 3万6000円
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合計 33万1600円
額面でいうなら、48万円と33万円で決して差は小さくありません。しかし、給料が24万円に下がるので、税金や社会保険料も下がります。ですから、実際の手取り額でみれば、もう少し差は縮まると思われます。
年金だけだと収入は月10万円、働けば33万円。皆さんならどうしますか?
※年金のカット額と、雇用保険からの給付額は性別や生年月日、給料、年金額によって違いますのでご注意ください。