年金/遺族年金の仕組み

夫が受け取れる遺族年金ってあるの?(2ページ目)

遺族に対して出る年金については、妻に比べ、圧倒的に夫は不利であるといえます。妻が亡くなって夫が貰うことができる遺族年金について検証してみます。

和田 雅彦

和田 雅彦

年金 ガイド

年金の専門家である社会保険労務士資格を取得し独立開業。個別相談他、年金問題についての執筆、講演も多数。

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妻が会社員である場合

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遺族厚生年金にある55歳という年齢制限は、夫、父母、祖父母にはあるが、妻にはない
会社員である妻に万が一のことがあった場合を考えてみましょう。会社員の場合、国民年金はもちろんのこと、厚生年金にも加入していますので、国民年金と厚生年金の双方から遺族年金が支給されることになります。

国民年金については、前のページで書いたとおりで、これは会社員でも変わりません。あと厚生年金から遺族厚生年金が支給されることになります。遺族厚生年金を受け取ることが出来る遺族は、配偶者又は子、父母、孫、祖父母のうちの最先順位者となります。ですから老齢基礎年金とは違い、配偶者である夫も遺族年金を受け取ることができるわけです。

しかし、この夫について「年齢制限」が設けられています。具体的には、妻が死亡した当時、55歳以上であることが条件となっています。また、実際の支給は60歳になってからしか始まりません。

夫・自営業者、妻・会社員の場合

55歳未満の夫が遺族年金を受け取れる可能性はありません。但し、妻が会社員で18歳年度末までの子供がいる場合は、子供に対し(18歳年度末まで)遺族厚生年金が支給されます。

55歳以上の夫の場合、妻が会社員であったなら、遺族厚生年金を受け取ることができます。但し、先ほども書いたとおり実際の支給は60歳からで、自分(夫)が老齢厚生年金を受け取っているような場合は、遺族厚生年金とは両方同時に全額を受け取ることはできません。要は「どちらか選択」ということになってしまいます。

55歳以上の夫がずっと自営業者だったら、夫には老齢厚生年金は支給されないことになりますので、この場合は自分の老齢基礎年金に加えて妻の遺族厚生年金をしっかり受け取ることができます。

ただし、再婚した場合は、受け取る権利がなくなってしまいますのでご注意ください。


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