年金/年金の受給資格

20年より19年加入が得な年金制度って?(2ページ目)

配偶者加給年金という制度は、一定の要件を満たした65歳未満の配偶者がいる場合に受け取ることができます。ただ配偶者の厚生年金加入が20年以上あると受け取れない制度なのです。

和田 雅彦

和田 雅彦

年金 ガイド

年金の専門家である社会保険労務士資格を取得し独立開業。個別相談他、年金問題についての執筆、講演も多数。

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加給年金のもうひとつの要件とは?

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振替加算の対象となるのは、昭和41年4月1日までに生まれた人が対象
先ほど出てきた加給年金ですが、自分自身の加入年数が20年以上なければならないことに加えて、実はもうひとつの大事な要件があるのです。加給年金の対象となる配偶者側の要件のひとつとして、「20年以上の厚生年金を受け取っていないこと」というものがあります。

加給年金は家族手当みたいなものなので、配偶者や子供がいる場合に付くのですが、例えば夫についていた家族年金も、対象となっている奥さんが20年以上もの厚生年金を受け取れるのなら、家族手当なんていらないでしょう? ということになるわけです。

ということは、勘のよい皆さんならお気づきでしょうが、奥さんの厚生年金の加入期間が「19年」なら、加給年金が受け取れるということなのです。

夫婦の年金で考えると
・夫の厚生年金(加給年金なし)と妻の20年の加入期間の厚生年金
・夫の厚生年金(加給年金付き)と妻の19年の加入期間の厚生年金
どちらが沢山受け取れるのか? ということを考えればよいですね。それでは具体例を挙げて検証していきましょう。

妻の平均報酬が25万円とすると

例えば妻の平均報酬が25万円で、賞与はないとして、現在の計算方法でざっくりと年金額を計算してみましょう。

●19年(228月)加入の場合受け取れる厚生年金は約31万2000円
●20年(240月)加入の場合受け取れる厚生年金は約32万9000円
(あくまで現在の計算方法を利用した概算です)

差額は約1万7000円でしかありません。ということは、19年加入と20年加入を比べると、自分自身の厚生年金額は確かに1万7000円増えたけれど、その結果夫に入るはずの加給年金40万円分が減ってしまうことになるわけです。

この夫に付く加給年金は、妻が65歳になると「振替加算」として妻の老齢基礎年金にプラスされることになるのですが、妻が厚生年金に20年加入してしまうと、夫に加給年金がつかないので、セットになっている妻への振替加算も付かないことになってしまいます。複雑な年金制度ですが、こんなこともあるんですね。

※どれくらい世帯年金で差が付くかは、ご夫婦の年齢等によって大きく変わります。加給年金や振替加算にも受給要件がありますので、詳細は社会保険事務所等で必ず確認してください。


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