国民年金と厚生年金、遺族年金を受け取る対象者の範囲は?
公的年金で対象となる「子」「孫」とは18歳の年度末まで。また「夫」「父母」「祖父母」については、死亡当時55歳以上でなければ遺族年金の対象者とならない。いずれの遺族も、死亡当時に生計を維持されていたことが大前提となる |
遺族基礎年金については、受け取れる対象が「子のある妻」または「子」に限定されており、「夫」や「子のいない妻」は受け取ることができない等、受け取れる人がかなり限定されています。「子のある妻」についても、子どもが18歳年度末を過ぎると支給が終了してしまうため、長期的な保障としては不十分といわざるをえません。
一方、遺族厚生年金を受け取れる対象は、「配偶者」「子」「父母」「孫」「祖父母」までとなり、55歳以上という条件はつくものの「夫」も対象となりますし、「子のいない妻(年齢は不問)」も対象となります。
また、遺族基礎年金と違い、配偶者(夫55歳以上、妻30歳以上)は再婚等しない限り、一生涯支給されます。そういう意味で、遺族厚生年金は遺族基礎年金に比べ格段の安心感があるといえるでしょう。
年金額は遺族基礎年金は明瞭、遺族厚生年金は不明瞭!?
遺族厚生年金が遺族基礎年金に比べ、受け取れる対象者の範囲で大きなアドバンテージがあることはわかりました。それでは、一体いくら受け取れるのでしょうか。せっかく受け取れたとしても、額が「ほんのわずか」しかなければ、残された遺族の生活保障にはなりません。
遺族基礎年金は、額が決まっていてわかりやすくなっています。例えば、子のある妻に支給される遺族年金額は、以下のように決まっています(いずれも平成25年度価額)。
- 子どもが1人の場合 101万2800円
- 子どもが2人の場合 123万9100円
- 子どもが3人の場合 131万4500円
これに対し、遺族厚生年金の額はというと、「不明瞭」で、しかも、ある意味ちょっと「不公平」なのです。
遺族厚生年金の不公平さを検証 次ページへ!