61歳以降65歳までに退職した場合
どちらが得かは、生年月日や年金、雇用保険の加入期間、退職時の給料等で変わってくる
■年金額:月額10万円
Aさんの生年月日では、61歳から65歳までは報酬比例部分の年金だけが支給されます。大卒で40年近く厚生年金に加入している場合、おおよそ月額10万円ほど支給されると言われています。
■失業保険:月額14万1000円
一方、失業保険については、給料額が50万円のままなら基本手当の額は変わりませんが、Aさんの60歳以降の給料が30万円になる予定です。この場合の基本手当の日額は4700円ほど、月額で14万1000円ほどとなります。
60歳時点の失業保険額と比べるとかなり減りましたが、年金と比べると失業保険にアドバンテージがありますね。
65歳以降で退職した場合は、「どちらか」ではなく「どちらも」受け取れる
Aさんが65歳以降で退職した場合は、状況が変わります。失業保険は65歳未満が対象となり、65歳以降に退職した場合については一時金(基本手当日額の30日か50日分)となってしまいます。しかし、65歳以降に受け取れる年金と雇用保険から支給される一時金は、両方受け取れるというメリットがあります。したがって、65歳以降については、「どちらが得」かを考える必要はないということになります。
65歳までに退職した場合、「どちらが得か」を考える必要があるわけですが、退職する年齢や退職直前の給料額等によって、年金のほうが得だったり雇用保険のほうが得だったりすることになります。同じ人であっても一概にどちらが得とは言えません。
ただし、男性は昭和36年4月2日以降生まれ、女性は昭和42年4月2日以降生まれについては、60~65歳の年金の支給がありません。そのため、そもそも年金を選択する余地がありません。「どちらが得」かを悩む状況も、いずれなくなる運命にありそうです。
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