結構多い、「思ったより年金額が少ない」という相談
ギャップの原因として単純に加入記録が漏れていたり、給料額が低く改ざんされているケースも考えられる。 |
公的年金は加入期間と平均給料がわかれば、概算の計算が可能です。ですから事前に自分で見込額を計算する方も多いのではないでしょうか。計算して出てきた金額と、実際支給された金額に大きな「ギャップ」があると、ガックリしてしまいますよね。
加入期間や平均給料という前提が実際と違っていれば、計算して出てくる額も狂ってしまいます。ですからできるだけ正確な情報を取得する必要がありますが、この前提についてほぼ正確に把握しているにもかかわらず(計算式は間違っていないのに)、ギャップがある場合もあります。
そうなると「何故?」となりますよね。
このギャップが生れる典型的な原因が主に3つ挙げられます。
原因1 「仕事を続けている」
年金を受け取り始めた後も働き続けている場合は、「在職老齢年金制度」により本来受け取れる年金の全部又は一部が支給停止になっている可能性があります。60歳前半の在職老齢年金制度は、年金と給料(年収の12分の1)が28万円を超えたら年金の支給停止が行なわれます。年収とは毎月の給料に加えて、過去1年間に受け取った賞与も加わりますので、給料だけで28万円を超えてしまうって方もいらっしゃるでしょう。
「在職老齢年金制度」によって、年金が少なくなっている場合は、仕事を辞めれば本来受け取れる年金が支給されますし、働いていた期間部分、受け取れる年金額は増えることになります。
また、働き続けている場合であっても、65歳以降になると、「在職老齢年金制度」はかなり緩やかになります。国民年金から支給される老齢基礎年金は調整の対象外ですし、支給停止は年金(厚生年金のみ)と給料(年収の12分の1)が48万円以下なら行なわれません。
次ページでさらに2つの原因を検証します!