文章:石津 史子(All About「年金」旧ガイド)

変額年金保険をご存知ですか?
イメージとしては、投資信託と年金保険の仕組みを併せ持った金融商品といえるでしょう。

年金原資の運用は、20年~30年と長期にわたるものですからそれに適した運用方法として投資信託の仕組みを利用しています。投資信託は、値動きがあり元本保証のない金融商品ですが、リスクを取る分リターンも期待することができます。

一方、変額年金保険の被保険者が死亡した場合には、投資元本を死亡保険金として受け取れますし、一定の年齢に達した場合は、運用してきた年金原資を一時金で受け取ったり、原資を年金として取り崩しながら利用できるという年金保険の側面も持ち合わせています。

ところで、変額年金保険では年金原資を運用する部分を特別勘定と呼んでおり、この部分は運用により値動き(=変額)があります。通常は、特別勘定は、変額年金保険を販売するそれぞれの保険会社の設定する複数の投資信託に分かれています。

いろいろな投資信託運用会社がこれらの投資信託を運用しており、例えば、スカンディア生命保険の変額個人年金保険であれば、フィディリティ・インベストメンツ・インターナショナル、キャピタル・インターナショナル株式会社、メリルリンチ・インベストメント・マネジャーズ・リミテッドなど、現在は6つの運用会社の担当する12本のファンドが設定されています。

では、変額年金保険の特徴を理解するために、単体の投資信託と比較してみることにしましょう。変額年金保険のメリットは、なんと言っても税金面での優遇措置があることです。

運用の結果、利益が出たとしましょう。一般の投資信託の場合、利益が出ると毎年分配金が支払われます。そして、その都度所得税が課せられ税金を徴収されるのが普通です。しかし、変額年金保険の場合は、特別勘定は年金保険の原資として運用しているわけですので、利益が出ても配当が毎年支払われることはありません。将来受け取るときまで、利益に対する課税が繰り延べされるので、利益が出れば出るほど年金原資は増え複利効果も大きくなるのです。

一方、投資信託に比べて変額年金保険が劣っている面もあります。それは、投資信託をダイレクトに購入するよりも若干コストが高くなることです。また、年金保険自体は長期運用を前提にしているため、短期間で解約する場合は、高い手数料がかかってくるのが一般的です。

以上のように長期運用を目的として、収益を元本に繰り入れながら効率よく運用しようとする場合には、変額年金保険の方が投資信託より適しているようです。ただし、変額年金保険を販売している保険会社により、特別勘定で運用を担当する投資信託運用会社やその数に違いがあります。世界中の有名な運用会社に、それぞれの得意分野の投資信託を運用させる会社もあれば、自社内の運用部門が運用する場合もあります。

長い付き合いになるわけですから,変額年金保険の購入を考える場合は、これらも考慮してじっくりと選んでください。

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