年金

総報酬制が導入された実際の影響を考えてみよう! 年金が多いのは、社員or社長?

年俸2400万円の社長さんと月収50万円(他ボーナスあり)の社員さん。果たして、20年後の年金が多いのはどちらでしょうか?昭和38年4月2日生まれ(今年40歳)の二人の年金で比較してみました。

執筆者:All About 編集部

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文章:石津 史子(All About「年金」旧ガイド)

総報酬制導入後の初めて支給されたボーナスから、ド~ンと保険料が徴収された苦い経験をされた人も多いことでしょう。一方、「うちの会社は年俸制でボーナスがないから、逆に保険料は下がってよかったよ!」という方も少なくないはずですね。(参考:保険料、月収⇒年収で何変わる!?


保険料が下がったと大喜びしている社長さん(年俸2400万円)と、社員さん(月収50万円、ボーナス120万×2回の年収840万円)で、将来受け取れる年金額を試算して、その影響をみていくことにしましょう。(前提として、どちらも昭和38年4月2日生まれとし、平成15年4月以降20年間厚生年金に加入するとします。平均標準報酬額は、社長さん62万円、社員さん70万円として平成15年4月以降の年金を従前額保障の式にあてはめて試算してみます。)
 
社長さんの場合

年俸2400万円(月収を200万円)の社長さんの厚生年金の保険料は、最高上限の標準報酬月額62万円のランクで徴収されますので、自己負担分は620,000円×13.58%÷2=4万2098円の12ヶ月分で、年間50万5176円になります。

一方、65歳から受給できる年金額は(平成15年4月以降の加入分のみ)、620,000円×5.769/1000×240×1.031×0.991⇒877,100円です。

厚生年金に関連した総報酬制導入の影響
⇒(1)年間で約14万円の保険料負担減となりました。
⇒(2)年金は、約26万減となりました。(導入前の約77%になった)
 
社員さんの場合

月収50万円、ボーナス120万円×2回で年収840万円の社員さんの負担する保険料は、50万円のランクの標準報酬月額ですから毎月は3万3950円、ボーナスからは1回8万1480円、年間57万360円負担することとなります。

また、65歳から受給できる年金額は、年間ボーナス120万×2回=240万を1か月あたりに按分した20万円が標準報酬月額50万円に合算され、70万円が平均標準報酬額(年金計算の基礎)になりますから、700,000円×5.769/1000×240×1.031×0.991⇒990,200円となります。

厚生年金に関連した総報酬制導入の影響
⇒(1)年間で約5万円の保険料負担増となりました。
⇒(2)年金は、約7万円増となりました。
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