年金と給料の新しい関係
2005年3月までは、60歳台前半で年金をもらう権利のある人が、会社勤めなどをして厚生年金に加入している場合、まず年金額の2割が支給停止になっていました。そのうえで、2割支給停止になっている年金月額と給料との間で調整していました。
しかし、賃金や年金額が少ない場合にも必ず年金額を2割支給停止する制度では、働く意欲を阻害してしまうという問題がありましたので、2005年4月から60歳台前半で在職しながら年金を受ける場合の一律2割の支給停止が廃止されることになりました。
ここでいう「給料」というのは、健康保険や厚生年金の保険料を徴収する際に使われる標準報酬月額と、その月以前の直近1年間に支払われた「賞与」(これも健康保険や厚生年金の保険料を徴収する際に使われる標準賞与額のことで、健康保険は200万円、厚生年金は150万円の上限がある)の12分の1を合算した総報酬月額相当額のことです。
(「総報酬月額相当額」という言葉はなじみにくいと思いますので、ここから先もあえて「給料」と表現します)
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