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年金の不足分、どれだけどう準備する?(3ページ目)

老後に必要な資金はどのくらいなのでしょうか?目標額に向けて、今から毎年どのくらい積み立てていけばいいのでしょうか?また、積立手段としては、どのような金融商品があるのでしょうか?みていきましょう。

原 佳奈子

執筆者:原 佳奈子

年金入門ガイド

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運用のポイントは"組み合わせ"!
 

ローリスク商品とハイリスク商品、どのタイプを選ぶ?


それでは、必要な運用利率を実現するためには、どのように運用対象を選んでいけばいいのでしょうか。年金向けの金融商品には様々なものがありますが、大きく分けると元本(払込掛金の総額・元金)が保証される又はそれに準ずるもの(ローリスク商品)と、元本は保証されませんが、運用収益を期待することができるもの(ハイリスク商品)に分類できます。それぞれメリット・デメリットがありますので、まずはその点についてみていきましょう。

【ローリスク商品とは】
ローリスク商品とは、文字通り「リスクが低い」商品ということになります。リスクという言葉の意味は、投資の世界では「価格変動のブレの大きさ」を表します。つまり、リスクが低いということは価格変動のブレが小さく、当初予想した運用利率からのブレも少ないということになります。メリットとしては、将来の年金額の見積りがしやすく計画が立てやすいということが言えます。安全に確実に積み立てたいという人には向いています。

しかしながら、ローリスク商品は、ローリターンになりますので、デメリットとしては、一般的に運用利率が低く、運用収益額が少ないということになります。商品例としては、銀行や郵便局の預貯金等や生命保険会社の定額の個人年金保険、国民年金基金などがあります。

【ハイリスク商品とは】
それに対して、ハイリスク商品とは、文字通り「リスクが高い」商品ということになりますので、価格変動のブレが大きいということになります。当初予想した運用利率からのブレが大きいので、プラス方向にブレが大きくなれば価格も上がるということになります。つまり、運用がうまくいけばお金を大きく増やすことができるというメリットがあります。

反対に、デメリットとしては、マイナス方向にブレが大きくなってしまうと価格が大きく下がってしまうことになるということがあります。つまり、運用がうまくいかないと、元本割れしてしまう可能性があるのが一般的です。将来の年金額の見積りもたてにくいという一面もあります。商品例としては、生命保険会社の変額個人年金保険や株式型投資信託などがあげられます。

【ローリスクとハイリスクを組み合わせる】
自分の年金を作っていくにあたって、必要な運用利率を実現するために、ハイリターンを狙えるハイリスク商品ばかりに投資してしまうのは問題です。ハイリスク商品もローリスク商品と組み合わせることで、価格変動のブレ幅、つまりリスクを低減させることができます。これを投資の世界ではリスク分散と呼んでいます。例えば、安全確実に運用することができるローリスク商品である国民年金基金とハイリスク商品である株式型投資信託を組み合わせるなどです。

ローリスク商品とハイリスク商品の組み合わせ比率をどうするかについては、自分の運用に対する考え方や自分がどのくらいリスクをとることができるかということを考慮して決定します。リスクの高い商品は避けたいという場合は、無理にリスク性の高いものに投資せず、国民年金基金(下表参照)など安全性の高い金融商品で運用するようにしましょう。
 
【ローリスク商品の決定版:国民年金基金の主な特徴】
加入できる人 国民年金の第1号被保険者(自営業やフリーで働く人、およびその配偶者)で、保険料を納めている人が任意で加入できる。
基金の種類 47都道府県に設立された「地域型基金」と25の職種別に設立された「職能型基金」の2種類がある。
掛金の額 加入したときの年齢や性別、選択した口数によって異なるが、1月あたりの上限は6.8万円となっている。
掛金のメリット 加入後もライフサイクルに応じて月々の掛金を増減することができる。
支払う掛金は全額所得控除の対象となり、所得税や住民税が軽減される。 
将来の給付額 年金額や給付の型は自分で選択でき、自分が何口加入するかによって受け取る年金額が決まるので、あらかじめ将来の給付額がわかる。
給付の型は、終身年金A型とB型、確定年金1型,2型,3型の5種類がある。
 
※詳しくはこちら(「自分で年金を増やす!国民年金基金」前編後編)をご覧ください。

※この記事は、掲載当初協賛を受けて制作したものです。

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