セカンドライフが近づく50歳代、もう準備は進んでいますか? |
セカンドライフに備えて
40歳代ではセカンドライフのことを「まだ先のこと…」と思ってしまう人が多いでしょうが、50歳代を迎えると「そろそろ考える頃かな?」と意識する人が増えてくるのではないでしょうか?このサイトでも、20歳代から40歳代まで各世代ごとに老後資金の準備方法をご案内してきましたが、今回はセカンドライフを間近に控えた50歳代について老後資金準備の考え方をご案内します。
老後の収入と支出を予想しよう
50歳代に入ると会社員の場合は、老後の収入の予想を具体的な金額で考えることができる人が増えてくるでしょう。定年退職を迎えたときの退職金の額や再雇用後の給与や賞与の金額が漠然としたものから、現実味を帯びたものとして身近に感じることがあると思います。さらに50歳以上になると、公的年金の支給額についても社会保険庁のHPから申し込むなどすると試算結果を郵送してくれるようになります。
一方、支出については、住宅ローンや子どもの教育、独立(結婚)など大きな出費を伴う家族のライフイベントが一段落し、自分の趣味や特技を活かすための支出も考えたくなってくる時期です。
そこで、老後の収入と支出の予想がたてやすくなる時期になる50歳代で、老後について「キャッシュフロー表」という収入と支出の予定表を作成してみるといいでしょう。「30代からの老後資金準備~少額でも始めよう」において、ライフプランの中から節目となるイベントの予定をまとめた「ライフイベント表」を作成しましたが、キャッシュフロー表はライフイベント表に「お金の予定」を加えたものになります。
斎藤さん一家(世帯主は茂さん:55歳)が以下のようなキャッシュフロー表を作成しました。斎藤さん一家のキャッシュフロー表を使って、キャッシュフロー表を作成するポイントをみていきましょう。
家族 構成 |
夫 | 妻 | 長男 | 長女 |
茂 | 雪 | 剛 | 恵 | |
年齢 | 55歳 | 52歳 | 26歳 | 24歳 |
【斎藤家のプロフィール】 茂さんは会社員で、60歳(2013年2月末)退職予定。雪さんは専業主婦。剛さんと恵さんは同居して会社勤めをしているが、結婚したら家を出る予定。茂さんが定年退職時に受け取る退職金は1800万円、公的年金は60歳から老齢厚生年金、65歳から老齢厚生年金と老齢基礎年金を受け取る。雪さんは65歳から老齢基礎年金を受け取る。 現在の貯蓄残高は1500万円で全て預貯金である。 |
まず、キャッシュフロー表を作成する場合、ライフイベント表と同様に年次(西暦)と家族の年齢を記入します。
次に収入項目を記入します。収入項目は、収入の内訳により異なります。会社員の場合、斎藤さんのように給与収入や年金収入、退職金などの一時収入などが主なものですが、自営業者やフリーランスは事業収入などを記入する項目になります。また、公的年金以外の個人年金に加入している人は、個人年金による収入の項目を追加します。
支出項目は、食費や光熱費など基本的な生活費を「基本生活費」にまとめます。住宅ローンやマンションの管理費、リフォーム費用などは「住居費」とします。斎藤さんの場合、59歳までに住宅ローンの返済が終わり、70歳で住宅リフォームのための支出を予定しています。
交際費や娯楽費を「その他」、自動車の買い替えや子どもの結婚資金、海外旅行費用などを「一時支出」と分類します。斎藤さんは57歳と65歳のときに自動車の買い替え、59歳と60歳で子どもの結婚資金援助、定年退職時(60歳)と古希(70歳)、妻の古希(茂さん73歳)、喜寿(77歳)の節目には海外旅行を計画しています。
子どもが学生の場合は「教育費」として支出項目に追加します。なお、本来ならば物価の変動率を考慮して支出額を計算しますが、ここでは考慮していません。
「収入合計」から「支出合計」を差し引いた金額が「年間収支」となりますが、上記のキャッシュフロー表では収支がマイナスとなる年は赤字で記入しています。年間収支がプラスになる年は「貯蓄残高」に金額を足し、マイナスになる年は差し引きます。貯蓄残高もマイナスとなる年は赤字で記入しています。
斉藤さんのキャッシュフロー表において、貯蓄残高がマイナスになるということは、準備した老後資産が足りなくなってしまうことを意味します。斎藤さんも77歳以降、貯蓄残高がマイナスとなり、80歳時点では190万円以上のマイナスとなってしまうことがわかります。
赤字回避の対策は次ページから