30歳代で老後資金?!早い人は始めています!
ある生命保険会社の調査によると、日本人は他国の人に比べると老後の準備をしている人が少ない(例:老後の準備をしている日本人39%、アメリカ人79%、2007年調査)という結果が出ています。ただし、3年前の調査では日本人で老後の準備している人が12%だったことに比べると、準備をしている人の割合は20%以上増加しています。

さらに、老後の準備を始める年齢は早まる傾向にあり、老後の準備を始めた人の平均年齢が、2004年では52歳でしたが、2007年では31歳となっており、20歳以上も早くなっています。

このように、老後の準備を意識する人や早めに準備を始める人が徐々に増えていますが、まだ「わかっているけど、なかなか始められない」「ゆとりがないからまだ無理」と思う人も多いかもしれません。

今回は、老後準備を始める平均年齢となった30歳代をターゲットに、老後資金の準備に充てる資金の考え方、資産運用のポイントを解説していきます。

<INDEX>
老後資金にあてる資産は?(1ページ)
家計の見直しツール~家計収支表(1ページ)
余裕資産から準備する(2ページ)
老後資金を準備する方法は?(3ページ)

老後資金にあてる資産は?

多くの人が老後資金を準備するきっかけとなっているのが
 ・特定の年齢(30歳、40歳等)が近づいた
 ・経済的または健康上のトラブル
 ・結婚や子どもの誕生
の3つです。特に、若い年代で準備を始めるきっかけは、結婚や子どもの誕生といった人生のイベントをあげている人が多く見られます。人生の大きな節目を迎え、家族のことはもちろん、自分のこともきちんとしなければという意識から、「老後」が気にかかってくるのかもしれません。

若い年代は、老後を迎えるまでの時間は十分ありますが、その後子どもの教育資金が必要になったり、マイホームの取得を考えている人は住宅資金も必要になります。そこで、老後資金の準備を始めるには、まず家計の見直しをしておくといいでしょう。

家計の見直しツール~家計収支表

家計の見直しを行うには、まず収入と支出の状況を把握する必要があります。家計簿をつけている人は、家計簿をチェックすると家計の収入と支出を調べることができます。家計簿をつけていなくても、おおまかな収入と支出を把握するためのチェック項目をあげると以下のようなものがあります。

●収入
  1. 給与・賞与・事業収入
    給与は税込年収ではなく、税金や社会保険料を差し引いた手取り収入をチェックします。ただし、団体扱いの生命保険料など任意で加入するもので保険料が給与から天引きされている場合は天引きされる前の金額を給与の額とします。

    一方、自営業者やフリーランスは、給与ではなく事業収入から手取り収入を計算します。

  2. その他の収入
    預貯金の利子や投資信託、株式の配当金などの収入があれば、税引き後の収入をチェックします。

●支出
  1. 固定支出
    家賃や住宅ローンの返済など住居に関する支出である住居費、授業料や塾にかかる教育費、火災保険や生命保険などの保険料、自動車のローンといった支出は毎月ほぼ決まった金額を支出しています。これらの支出を固定支出とします。

    固定支出は、口座振替での支払いや契約書などで毎月の支出額が確認できることが多いので、毎月の支出から1年間の支出をチェックしましょう。

  2. 変動支出
    食費、公共料金(ガス・水道・電気料金等)、洋服代など最低限の生活費を基本生活費とします。旅行費用や自動車の購入費用(頭金や一時払いの場合)など特別にかかった費用を一時支出とします。さらに、交際費やその他の支出、何に支出したのか覚えていない使途不明金を含めてその他の支出とします。

    これらの支出は毎月の支出額や支出のタイミング(1年で何回支出するのか)も変動するので変動支出とします。変動支出は把握しづらい支出ですが、基本生活費なら1ヵ月の大まかな金額をチェックしてみると1年間の支出額を計算する目安となるでしょう。また一時支出やその他の支出は過去にどのくらいの金額を支出しているのかチェックすると、大まかな金額が推定できるでしょう。

それでは、モデル事例を使って家計収支表を作成してみましょう。家計収支表を作成するモデルをサトウさんとして、資料データに基づき作成します。サトウさん一家のプロフィールは以下の通りとします。
【サトウさん一家】
 サトウ ケンイチ 昭和45年4月生まれ(38歳)
  民間企業の会社員、収入は給与収入のみ
 サトウ トモコ 昭和48年5月生まれ(35歳)
  専業主婦
 サトウ アオイ 平成15年8月生まれ(5歳)
  私立の幼稚園に通っている

サトウさん一家の年間の家計収支表は以下のようなものになりました。
 
【家計収支表】   (年間)
収   入
給与・賞与 5,600,000
その他(定期預金利息) 8,000
年間収入合計 5,608,000
支   出
固定支出 住居費(住宅ローン) 1,030,000
教育費 510,000
生命保険料 480,000
小計 2,020,000
変動支出 基本生活費 2,240,000
一時的支出(旅行費用) 100,000
その他支出 600,000
小計 2,940,000
年間支出合計 4,960,000
収支差額 648,000

【データ資料】
・給与・賞与
厚生労働省「平成19年賃金構造統計調査」35~39歳大卒男性の平均賃金から社会保険料、所得税、住民税を試算し、差し引いた金額
・その他
金融広報中央委員会「平成19年家計の金融資産に関する世論調査」より30歳代の一世帯あたりの金融資産保有額中央値を年利0.6%の定期預金で運用した場合
・住宅ローン
総務省「平成19年家計調査年報」より35~39歳代世帯の住宅ローン平均返済額
・教育費
文部科学省「平成16年子どもの学習費調査」より
・生命保険料
生命保険文化センター「平成19年度生活保障に関する調査」より
・基本生活費、その他支出
総務省「平成19年家計調査年報」の35~39歳代世帯の消費支出平均額より
・一時的支出
JTB「平成20年夏休みの旅行動向」の国内旅行平均費用より


サトウさん一家の家計収支表では、年間約65万円の黒字が出ています。この黒字額から老後準備にあてる費用を支出することが可能になります。

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