秋、私立小学校入試の本番がピーク
小学校受験では面接、ペーパー、行動観察が重視されます |
募集要項配布、出願期間は9月上旬から開始(国立小学校は10月から)。願書が配布される時期は学校によって異なり、学校説明会で配布する小学校もあります。秋には私立小学校入試の本番がピーク。国立小学校の検定・抽選は11~12月に行われます。
最近は入試にペーパーテストを課さない小学校や、ペーパーテストを減らし行動観察を重視する学校が増えつつあります。まずは志望校の入試概要や傾向を調べましょう。複数校受験する場合はペーパー対策を必ず行う必要があります。
小学校入試の内容は、面接、ペーパーテスト、それ以外とに分けられます。以下で詳しく紹介していきましょう。
■面接
小学校受験では面接が重視される。特に家庭の教育方針が学校と一致しているかが重視されるので、学校研究をしたうえで面接の準備をしっかりとしておく必要あり。面接の種類は以下の4種類に大きく分けられる。
- 保護者面接
- 保護者・志願者(親子)面接
- 志願者(子ども)面接
- 親子面接+志願者個別面接
このなかで保護者・志願者面接を行う学校が大半。次いで保護者面接で、志願者のみの面接を行う学校は2割程度。
■ペーパーテスト(プリント)
いわゆる筆記試験のこと。常識(季節ごとの行事や草花などから仲間外れを探す、電車のマナーなど生活常識を問う)、数量(数を数えたり、足したり引いたり、どちらが多いか比較したりする問題)、図形(同じ図形を探す、重ねたり回転させたりした図形を探す問題など。学校ごとに様々なパターンが出題されている)、言語(しりとりや三文字の名前の物は?など、動物や植物の名称がしっかり身についているかを見る試験)。ドリル学習的要素が強い。
■個別(口頭試験)
カードを数枚見せられ、それに基づき話を作ったり、いろいろな物事について質問されたり、原則受験者一人に対して先生一人で行われる対話式の口頭試験。
■運動
跳んだり、走ったり、投げたり、マット運動をしたり、基本的な運動能力と先生の指示がきちんと聞けているかなどを見られる。「くまあるき」といって、両手・両足を曲げずに使って歩く試験では、タイムが見られることも。くまあるきは筑波大学附属などでよく出題されている。
■行動観察
他の受験生と一緒にゲームやグループ遊びをすることで協調性やリーダーシップなど、その子どもの特性を見る試験。最近は行動観察を重視する学校が増えている傾向が見られる。あいさつや言葉遣い、態度など基本的生活習慣に関する面も見られる。
■指示行動
先生の言われた通りに運動などを行う。運動の試験に取り入れられることが多い。
■巧緻性
紙をちぎったり、ひもを穴に通したりするなど手先の器用さを見る試験。また服をたたんだりする試験などもあり、器用さとともにしつけ面が見られる。学校生活で人に迷惑をかけず、自分のことは自分でできるかどうかもチェックされる。行動観察に含む学校も。
■お話の記憶(記憶)
一定時間の話を聞き、それについての記憶を見る試験。しっかりと人の話が聞けることが重要。テープで音声を流すところもあり、お話の文章量も100文字~1,000文字と、学校によって難易度はかなり異なる。雙葉は特に長い(5000文字程度)と有名で、他の難関女子校も長い文章を聞かされる場合が多い。単純記憶だけでなく、話から季節を推測したり数量を計算(12個のみかんを2つサルに、3つイヌに、残りは?)したり、道徳判断(あなたならこの場合どうしますか?)などを問われたりする場合がある。ペーパーのなかに含めて行う学校も。
■絵の記憶
一つまたは複数の絵を一定時間見せ、相違点や描いてあった場所を問う試験。これもペーパーのなかに含めて行う学校もある。
試験は以上のような種類を組み合わせて行われます。このほかに国立小学校では抽選も実施。学校により、入学考査前・入学考査後、あるいは両方で実施されます。近年は抽選制度を停止する学校が増加中。