消費税率のアップも検討されています。税金の使いみちにも関心を持ちましょう。 |
社会保険料には税金はかからない
お給料明細を見てみると、「健康保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」などがあると思います。これらをまとめて「社会保険料」と呼んでいますが、これらも税金を計算する際にお給料から差し引くことができます。とはいうものの、先ほどの必要経費や人に対する控除は計算上引いているだけで、実際にお金が取られているわけではありません。でも、この社会保険料はお給料から自動的に引かれていて、自分の手元には残らないお金です。しかも、厚生年金保険料は毎年値上げすることが決まっているので、社会保険料が増えれば手取り収入が減ることにつながります。この動きにも注目です。<年収400万円のK子さんの社会保険料>
社会保険料は会社と従業員で半分ずつ負担しています(雇用保険のみ雇用安定事業など雇用主だけの負担があります)。K子さんの場合は年間で48万1760円を支払っており、年収の12%を占めています。
この48万円も税金を計算する際に差し引くことができます。
『年収400万円?必要経費134万円?基礎控除38万円
?社会保険料48万1760円=179万8240円』
K子さんの場合、この「179万8240円」に税金がかかることになります。
このほかに、生命保険や損害保険に加入している人は、年間で支払った保険料に応じて計算された一定額を所得から差し引くことができます。会社員の人は年末調整のときに申請したのを覚えているかもしれませんね。忘れてしまった人は確定申告をすることで税金の還付を受けることもできます。
・実践記入!生命保険料控除申告書(All About暮らしの税金)
・税金が安くなる!忘れていませんか?生命保険料控除って何?(All About保険の見直し)
いよいよ所得税の計算です
さて、必要な控除を計算できたので、いよいよ所得税の計算です。今までの話を図にまとめてみると次のようになります。<年収400万円の内訳>
上記の黄色い部分「課税所得179万8240円」に対して税金がかかります。所得税は、所得が多くなるほど税率が高くなる「累進課税」という制度です。下記の表に課税所得を当てはめて計算します。
<所得税の速算表>
『課税所得179万8240円×10%=17万9820円』
2005年まではここから定率減税として20%が戻ってきました。K子さんの場合は17万9820円×20%=3万5960円が戻ってきていたので、実際に支払った所得税は14万3856円です。
しかし、この定率減税は2006年には10%に縮小、2007年には廃止となります。そのため、2006年に支払う所得税は1万7980円多くなり、16万1840円となります。もう、増税は確実なんですね。
・給与手取りを減らす定率減税縮小(All About暮らしの税金)
・平成18年身近な税制改正<1>(All About暮らしの税金)
税金・社会保険料を通して社会を知る
このように、税金をどのくらい支払っているかがわかると、どうして負担が増えるのか、それが有効に使われているのかも気になってくるでしょう。社会や経済について興味を持つきっかけにもなると思うので、一度自分の給料明細や源泉徴収票をじっくり見てみましょう。・源泉徴収票って何?(All About一般事務)
・年末調整ってな~に?(All About暮らしの税金)