行動観察のみの入試であっても、ペーパー対策は必要
ペーパー試験があってもなくても、ペーパー対策はしっかり準備しておきましょう |
問題集はペーパー(プリント)対策用の過去入試問題などが市販されており、多くの家庭が利用しています。ただし、西武学園文理など一部を除き、学校は基本的に入試問題を公開していません。過去問題は受験者の情報(子どもや親)をもとに作成しているので、本番の入試そのものではないので留意してください。
問題集は幼児教室でも販売しています。教室に通っている人の多くはそうした問題集を利用し、教室もそれらの問題集から宿題を出したりします。
しばしば言われることですが、行動観察のみの入試であっても、ペーパーの学習・訓練は必要。行動観察では先生の指示を理解し、それを実行するなどを通して知能の成長や学習態度・集中力なども見られるため、こうした能力や態度をペーパーで養っておくことが大切なのです。
入試にペーパーがある場合は概して問題量も多いので、しっかりと準備しておきましょう。暁星や白百合学園、雙葉などは、時間に比して問題量が多く、接戦になるので高得点を狙うつもりで取り組んでください。お子さんが暁星に合格した家庭では、入試直前はドリルを1日100~200枚、1枚1分以内で解く練習をしたそうです(情報誌「小学校受験情報2008年度版」の合格体験談より)。
問題集は毎日時間を決めて行うのが理想ですが、子どもにとってそれは容易ではありません。この時期は脳の成長期にあるため、かえって一時的に理解が遅くなることも。それは次の成長に備えて脳が準備をしているとも考えられるので、焦らずに少し様子を見たり、ペーパーを一休みしたりするといいでしょう。夏休みを終えてまた急に伸びたりする場合があります。
こなす量ではなく、根本理解の促進を
実際どこのご家庭でも、あれこれ工夫しながら問題集をやっているようです。たとえば、巧緻性の練習やゲームを取り入れた学習をしたあとにペーパーをする、幼稚園を挟んで朝と午後にする、1日分のプリント分をホチキスで止めておき、どれくらい進めばいいか子ども自身もわかるようにして達成感を持たせるなど、その子どもに合わせて学習させています。
気をつけたいのは、理屈を根本から理解させること。ペーパーは慣れてくると感覚でできるようになります。こなす量や速さに気をとられていると、理解がおろそかになってしまうことがあるので注意。積み木やおはじき、折り紙など具体物を使ってしっかりと理解させるようにしましょう。断面図の勉強では粘土で立方体を作って教えたりする家庭もあります。
最近ではDVD問題集も出ています。入試当日と同様に先生の声を聞いての巧緻性の訓練用などができるので、利用する手もあります。巧緻性の試験では、先生が示したことを真似るといった問題が出されることがあります。DVDでそうした練習をするといいでしょう。