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社会保険料は一体いくら? 年収500万円の会社員の場合

あなたの社会保険料、一体いくらかご存じでしょうか? 会社に勤めている人であれば毎月のお給料から社会保険料が引かれていることをご存じでしょうか? 決して少なくない金額の社会保険料。これらはどのようにして決められているのでしょう。年収500万円の会社員の場合を見てみましょう。

井戸 美枝

執筆者:井戸 美枝

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あなたの社会保険料は一体いくら? 給与明細を見てみよう

社会保険料は一体いくらかご存じですか?

社会保険料は一体いくらかご存じですか?

みなさんは、給与明細をじっくりと確認したことはありますか?

「控除」の項目をみると、「厚生年金」「健康保険」「介護保険」「雇用保険」といった社会保険料がお給料から天引きされていることがわかります(介護保険は40歳以上の人のみ)。なお「労災保険料」は全額会社が負担しています。

私たちは、これらの保険料を支払うことによって、年金、医療、介護における一定の保障を受けることができます。

社会保険料はどのようにして決められている?

では、これらの社会保険料はどのようにして決められているのでしょうか。

国民年金の保険料は、基本的に全員一律です。

それに対して、厚生年金、健康保険などの保険料は、加入している会社員それぞれの収入によって異なります。ただ、収入といっても、残業の多い月や少ない月……毎月ぴったり同じ額のお給料をもらっているわけではありませんよね。

そこで、効率よく保険料を計算するために「標準報酬月額」が設定されています。

「標準報酬月額」は、4、5、6月の3カ月間の報酬の平均額を、区切りの良い幅で区分したものです。厚生年金と健康保険では「標準報酬月額」の区分が異なります。

厚生年金の場合、標準報酬月額は1等級8万8000円から、32等級65万円までの32に区分されています。仮に月収が80万円を超えていても、標準報酬月額は32等級の65万円となり、それを基に保険料が算出されることになります。

健康保険の場合は、上限と下限がさらに細かく区分されています。1等級5万8000円から、50等級139万円となっています。

標準報酬月額は7月に決まる

標準報酬月額は、毎年7月1日に決定され、その年の9月~翌年の8月まで適用されます。途中で昇給や降給などによって大きく報酬が変化した場合は、標準報酬月額の改定が行われることもあります。

また、この報酬には残業代も含まれます。4~6月にたくさん残業をした人は標準報酬月額が上がり、保険料が高くなってしまうかもしれません。

賞与に係る保険料額は、支給が年3回以下の場合、その月に支払われた賞与額の1000円未満の端数を切り捨てた額(標準賞与額)に保険料を乗じた額となります。

それぞれの保険料率は

それでは、それぞれの保険料を見ていきましょう。

・厚生年金
厚生年金の保険料率は、令和5年度現在、一般の被保険者の方ですと原則18.3%です。これを会社と折半しますので、実際の負担はその半分の9.15%となります(厚生年金基金加入員を除く)。

・健康保険
健康保険の保険料率は、住む地域や組合によって異なります。令和5年度の東京都の協会けんぽに加入の場合は10.00%です。会社と折半すると、実際の負担は5.00%になります。健康保険組合の場合は、加入している組合の規約によって異なります(負担割合も異なります)。

・介護保険
40歳になると、健康保険料にプラスして、介護保険料も徴収されます。介護保険は、原則65歳以降に自己負担1割で介護サービスが受けられるものです。令和5年度の協会けんぽの場合、介護保険料率は1.82%で、会社と本人が0.91%ずつ負担します。組合健保に加入している人の介護保険料は組合ごとに異なります。

・雇用保険
雇用保険の保険料率は、業種によって異なります。令和5年9月現在の被保険者の負担は、一般の事業で0.6%、農林水産清酒製造の事業で0.7%、建設の事業で0.7%となっています。

・労災保険
先ほども述べましたが、全額会社が負担しており、私たちの負担はありません。

年収500万円の会社員の場合

では、1年間で社会保険料は、およそいくら払うことになるのでしょうか。

東京都に住む年収500万円(ボーナス50万円×2)の30歳の会社員(協会けんぽに加入し、「一般の事業」の勤務先で働いているとします)の場合、自己負担する保険料率は、

・厚生年金保険料率 9.15%
・健康保険料率 5.00%(40歳以上の場合は介護保険料込みで5.91%)
・雇用保険料率 0.6%

で、合計14.75%。支払う保険料は、おおよそ年間73万7500円となります。40歳以上の場合は、これに介護保険料がプラスされます。

(※)ここでは便宜上、健康保険は24等級、厚生年金は21等級として試算しています。ボーナス等の関係で、実際の保険料とは異なる可能性がありますのでご注意ください。

まとめ

年収の約15%が社会保険料として天引きされて、負担が多いと感じている人もいるかもしれませんが、会社も同じだけ支払っています。

また、自営業の人は保険料を自分で全額支払わなければならない上に、保障も少ない。それに比べたら会社員の人は、国や会社から手厚く守られていることになるわけです。

ただ、今後は少子高齢化の影響で、支払う社会保険料が増えたり、受け取る給付金が減ったりする可能性があるため、制度の変更にも注意しましょう。

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