どうしてお金持ちになりたいの?
口癖のように、「宝くじが当たって、お金持ちになったら……」と言う友人がいます。「宝くじが当たったら、別荘を買う」「宝くじが当たったら、こんな会社辞める」「宝くじが当たったら……」。日々の生活の不満は、お金が足りないことに原因があり、宝くじが当たれば、不満は解消されるというのです。でも、私は、いつも疑問に思うのです。「別荘を買ってどうするの? 会社を辞めてどうするの?」と。
別荘を買うことが目的なのではなく、別荘での生活のイメージがあり、それを実現したいから、別荘を購入するのではないでしょうか。会社を辞めるのは収入や処遇に不満があるから、というのは大きな理由になりえますが、大切なのは辞めて何をするのかではないでしょうか?
やりたい仕事が見つかった、自分で起業したいビジネスが見つかった、だから会社を辞めるのだ、というように、その先にある目標や目的が大事だと筆者は思うのです。
確かに、お金があれば、やりたいことができる、欲しいものを何の気兼ねなく買える、おいしいものを食べられます。時間的な自由を買うこともできるでしょう。でもそんな生活がしたいからお金持ちになりたい、と思うのでしょうか? 目的や目標がなければ、案外、時間を持て余してしまうような気がします。
1億円あっても足りないという人もいれば、1000万円貯蓄が目標と言う人もいます。その人にとって「お金持ち」の意味は違ってきますが、そのお金で何がしたいか、が決まっていなければ、1億円あっても有効にお金を使うことはできないでしょう。
毎日、湯水のようにお金を使って毎月100万円使ったとして、年間1200万円。1億円あっても10年以内に使い果たしてしまいます。目的が決まっていれば、1000万円でも有効にお金を使い、自分の夢をかなえることができるかもしれません。どうしてお金持ちになりたいのか。あらためて自分に問いかけてみる必要がありませんか?
収入が増えなければ、節約するしかないのか
ちょっと説教くさい話から入りましたが、要は、「お金持ちになりたい!」という願望は、今よりも、もう少し豊かな生活を送りたい、もう少し自由に使えるお金を増やしたい、月に何回かは高級店でディナーを楽しみたい、年に数回は海外旅行に行きたい……。多くの人の「お金持ちになりたい」願望の実態は、そうした日常的な幸せ願望じゃないかと思うのです。なにも、いきなりドバイの高級リゾートマンションでセレブのような暮らしをしたい、というわけではないでしょう。
でも、その日常的な幸せを実現するにしても、収入が増えなければ、節約して「じぶんへのご褒美」として、一点豪華主義的な買い物や遊びを楽しむということになるでしょう。節約も長く続けばストレスになりますし、結局は長続きせず、前の生活パターンに逆戻り、という結末を迎えてしまいます。
どこかで、そのサイクルを断ち切り、少しでもお金に余裕のある生活を実現する手段はないのでしょうか?
はっきり言って、近道はありません。よく、「結婚は、ステージを上げる最後のチャンス」といわれます。確かに結婚相手が資産家であれば、結婚でいきなり「お金持ち」になれるかもしれません。でも考えてみてください。節約生活を続け、外食もしない、友人との付き合いも断る、映画も観ない、音楽も聴かない、旅行にも出かけない。そんな生活で、資産家のパートナーに出会う機会はあるでしょうか。これでは、「宝くじが当たったら……」と同じ論法ですよね。
お金は居心地のいい場所を好む。居心地のいい場所とは?
お金は居心地のいい場所を好むといいます。あながち迷信や精神論ではないと筆者は思います。「お金持ちは長財布を使う」とよく言われます。最近では「クレジットカードや電子マネーなどを活用して、キャッシュレスの生活をしているのは年収が高い人」とも言われます。こうしたことは時間の使い方に気を配り、効率的なこと、理に適ったことを好み、「自分のルールを持っている」と言い換えることができます。
必ずしも長財布でなくてもいいと思いますが、財布の中に今、いくら入っているのか、毎日の支出を把握しているか、小銭ばかりでお財布が膨れていないか、レシートや領収書でお財布がパンパンになっていないか……。お金に無頓着な人のお財布は、どんなブランドものであっても、見た目が美しくなく、お金が大事にされていないように思います。
お札の向きをそろえなくてもいいけれど、そろっていたほうが気持ちがいいし、会計時にもスマートに支払いができます。つまり使ったお金を把握しやすいとも言えます。金運がUPする色のお財布にする必要はないけれど、自分が愛着の持てるお財布であれば、中身もきれいにしておきたくなるでしょう。つまり今、いくらお金が入っているかが把握しやすいと言えるでしょう。
できるだけキャッシュレスで生活している人は、その履歴をあとから確認することができます。いちいちレシートをもらう必要がありません。クレジットカードや電子マネーは魔法の財布ではありませんから、最低限、自分の口座の残高は確認しておかなければなりません。
つまり、長財布やクレジットカード、電子マネーはツールであって、どう生かすかは、「自分のルール」を持つことが大事なのです。お金持ちにはすぐにはなれないけれど、お金にどれだけ関心を持てるか、ということが、お金との付き合い方を上手にするのです。ひいては有効なお金の使い方、貯め方ができる人になれる近道なのです。
お金と上手に付き合うとは?
「お金と上手に付き合いましょう」と言われてもピンとこないでしょう。でも冒頭で書いたとおり、何か行動を起こさない限り、「宝くじ当せん」を夢見る夢子で終わってしまいます。これからの時代は、節約だけでは物価上昇や税負担の増加に対抗するのは難しくなってきます。お金を使わないのではなく、お金を有効に使うことを考える時代になったのです。
同じ外食をするにしても、安くて短時間で済ませられるファストフードばかりではなく、なにかこだわりを持ったお店選びをする。安い雑貨ばかりではなく、なにかこだわりの観点をもって居心地のいいインテリアの部屋にする。雑誌や書籍もブームや流行にばかり注目せず、なにか気になるテーマを見つけて深く調べていく。ネット情報もスマホでさらっと読み流すのではなく、複数の情報源を持つようにする。同じお金を使うにしても、自分の将来に役立つエッセンスになるような使い方をしていくことが大事だと言えるでしょう。
また、コロナ禍によって、多くの人の生活スタイルが変化しています。収束が見通せず自粛が続くことを嘆いてばかりいても生活が劇的によくなるわけではありません。こういうときこそ、ピンチをチャンスに変える発想が必要になってくるでしょう。
少なくともお金の使い道、使い方はコロナ前とは変わっているはずです。旅行が思うようにできないなら、その予算を別の趣味や楽しみに振り向けてはいかがでしょう。在宅勤務が増えたなら、通勤時間がなくなった分、自由に使える時間は増えたということ。その時間を活用して投資の勉強をしてみてもいいでしょう。リモートワークがメインの職種であれば、勤務地と離れていても問題ありません。家賃の高いエリアから郊外に引っ越す人もいます。
お金との付き合い方は、常に変化していきます。ピンチをチャンスに変える力を身に付けることは大切です。
それでも、お金の付き合い方の基本は変わりません。最低でも以下の3つはチェックしてみてください。
●無駄な出費はしていないか、もう一度お金の流れを把握すること
●その分を貯蓄や投資に回せないか検討すること
●コツコツと長続きできるお金管理のシステムをつくること
あまりにも基本的なことですが、案外、お金持ちになりたいとつぶやいている人は、こうしたお金の管理がうまくできていないのです。お金は入ってきて出て行くもの。その行き先を決めるのはあなた次第です。お金が生き生きとできる環境をつくれたら、その先には、きっと夢の実現が待っているはずです。
ちなみに、筆者はお金持ちではありませんが、お金の行き先は「沖縄」に通じるように使っていました。長年の目標であった沖縄への移住が実現したのは、お金が気持ちよく働いてくれた結果だと思っています。
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