あれよあれよという間に、資産が半分に……どうしたらいいの? |
INDEX
■その投信、売るべき、持っておくべき?……P1
■安くなった投信、買い足すべき?……P2
分散投資でも損が出た、今回の金融危機
今回、株式の大暴落に加えて円高が同時にやってきたことで、国内外の株式・債券に分散投資していても資産減ってしまう結果になりました。信じていた方法なのに……と愕然とした気分の人もいるかもしれません。でも、分散投資をしても損が出てしまうのは、なにも今回が初めてではありません。日本の株式と債券、米国の株式と債券に25%ずつ投資して(※)1年間保有した場合の運用結果を見ると、過去20年のうち半分の10回に損が出ているんです。
(※ 87年年末に、TOPIX、日本国債(10年)、S&P500、米国債券(10年)に25%ずつ投資し、88年年末に売却。以降、毎年これを繰り返した場合)
1年間ではなく、5年間保有した場合(※)、マイナスはだいぶ減りましたが、2回マイナスの回がありました。しかし、7年間保有した場合は、マイナスがなくなりました。つまり分散投資は、長期投資をいっしょに行った場合にこそ、大きな効力を発揮するのです。(もちろん短い期間でも、1種類への集中投資に比べるとリスクは軽減されます)。
(※ 87年年末に上記と同じ4資産に投資し、92年年末に売却。88年以降も毎年、これを繰り返した場合。7年保有は、同じ方法で購入・保有し、7年後に売却。)
「長期の分散投資」、これが基本だということを頭において、今後、どういう対応をすべきか考えて見たいと思います。
売ってしまうべき? 持っているべき?
暴落がすでに起こってから数週間がたちました。大損した状態で売却するよりは回復を待とうか、それとも売却して別の投資信託を買い、挽回を目指そうか、悩んでいる人もいるでしょう。まず、「売るor売らない」を考える前に、自分のポートフォリオを見直してみてください。株式ばかりだったり海外REIT(不動産投資信託)が大半を占めていたり、というアンバランスな状態ではありませんか? 分散投資を頭で理解しながらも、そのときそのときで「もうかるらしいと聞いたもの」を選んでしまっていて、ぜんぜん分散投資ができていない人が少なくないようです。これを機会にポートフォリオ(資産の内訳け)を見直して、分散投資でリスクをコントロールできる体制を作りましょう。
分散投資がまったくできていなかった人は、これを機会に見直す……、これによって「気持ち」をリセットし、ここからあらたなスタートだと思いましょう。なぜなら、損した分を「取り返すぞ!」という気持ちが強いと、またまた「儲かりそうなもの探し」をしたくなってしまい、分散投資ができなくなるからです。
見直しのために投資信託を売ろうという場合も、基本的には「焦らない」ことが大事だと思います。今の状態で投資信託を売っても、次に何を買うかの見極めは難しい状況です。市場の回復の方向性が見えてきてから行動したほうがいいと思います。その際、一度に売却して新しいものに向かうのではなく、少しずつ、数回にわけて売却や購入をすることをおすすめします。その上で、長期運用です。
■参考「大暴落の今こそ、アノ方法で買う」
ただし、その投資信託の残高があまりにも減少してしまった場合には、繰上げ償還(投資信託の契約期間修了にされてしまうこと)されることがあります。投資信託の約款に「残存口数が10億口を下回った場合、繰上げ償還されます」などと繰上げ償還の条件が書かれていますので、確認してみてください。
繰上げ償還については、AllAbout ProFileでQ&Aがありましたのでリンクをはっておきます。
■オールアバウトProFile Q&A「繰上げ償還を避けるには」
では、安くなった投資信託は、もっと買い足すべきでしょうか。次のページで見てみましょう。