相談料は子どものお年玉!?
こんなはずではなかった。こじれた紐をほどくことは出来る? |
Yさんは34歳の奥様です。写真屋さんでパートをしています。ご家族は、ご本人、夫、子ども2人(小4と小2)の4人家族。
「最近借入れが増えだし、今後どうしたらいいものか?」と1人で家計相談にきました。借金の内容を聞くと、クレジットカード(2社)のキャッシング75万円、消費者金融2社の利用で80万円。総額約155万円です。
金額自体はさほどでもありませんが、妻のパート収入だけでは返済が難しい状態でした。
借金が増えた原因を問うと、「すべて私が悪いのです」と口をつぐんでしまいました。
夫には借金のことを内緒にしており、「私が勝手にやったことだし、夫は借金を嫌っている。とても打ち明けられない」と。しかし、家計簿もきっちり付けており、そんな浪費をするようなタイプの人には見えません。
適切な解決のためにも、まず家族(夫)に話すべきだと私は感じました。そして、家族一丸となり家計を再生させるため、今後のことを夫婦でしっかり話し合い、協力をもらえるよう助言しました。
3時間の面談が終わり、相談料として差し出されたお金が、きれいにそろって三つ折になっていました。「これ(お子さんの)お年玉でしょ…。今後がんばって生活変えましょうね」と一言加え初回家計相談を終えました。
夫に打ち明けたYさん
それから数日後、再びYさんから電話がきました。Y:「夫に話しました。離婚すると言われました…。しかたがないです」
私:「そうですか…。それは残念ですね」
Y:「でも、進めないわけにもいかないので、これからのサポートお願いします。『良かれと思ってやった』ことが、こんな結末で…」
私:「えっ、良かれと思って?? Yさん、どういう意味ですか?」
Y:「いや、別に…」
私:「私には本音で話してくださいよ。あなたの様子や態度などからはどうも腑に落ちないことが多くて。納得できない場合、私は本心でサポートできません。」
後日、再度来所いただきました。
Y:「これから、私は一人で生きていかなければなりません(離婚届の用紙も持っていた)。借金の返済を続けたくても無理があるかと思います。そうなると方法は、自己破産しかありませんよね。そのように手続きを進めるよう、サポートしてください」
私:「そういった具体的な借金整理の方針は、法律家に任せましょう。今は大した問題ではありませんから。それよりも、借金が増えた原因をもう一度お話ください」
Y:「ですから私が…」
おそらく、借金をつくってしまった本当の理由を隠している、そう思えてなりません。この人は、本当に自分の問題と向き合えているのか、納得のいく解決が出来るのか…、そんな疑問が頭をよぎりました。