ライフイベントを考えると将来が見えてくる!
人生の節目にあたる「ライフイベント」。将来のライフイベントを考えることで、自分と家族の将来の姿が見えてくる |
例えば、赤ちゃんが生まれたばかりの夫婦の場合、2年後に2人目を出産。3年後にはマイホーム購入し、結婚10周年と夫の退職時に海外旅行に行ってなどと将来の家族の姿が見えてきます。
また将来のお金のことを考えるときも、この「ライフイベント」は役に立ちます。「何年後」に「いくら」のお金を、特別に用意しないといけないかという事が明確になるからです。家族のマネー計画は、将来をしっかり予測して、用意するべきお金をしっかりと貯めていくのが理想。そのためにも、ライフイベントを考える必要があるのです。
今回は、1歳の子どもが1人いるAさんファミリー(夫30歳、妻28歳)を例にとって、ライフイベントを考えてみたいと思います。
待ったなしで必要になる出産費、教育費
Aさんファミリーは、2年後にもう1人の子どもを出産し、その次の年にマイホームを購入したいと思っています。このようなファミリーにとって、まったなしで必要になるのが、出産費用と教育費。この2つの費用は、計画的に貯めておかないと大変なことになりそう。また、マイホーム購入も人生の中でも最大の買い物。しっかりと資金計画をたてなくてはいけません。ということで、Aさんにとって、しっかりと考えないといけないイベントは、「出産」「マイホーム購入」「教育」となりますね。この3つのイベントを見ていきましょう。
まずは、出産費用から見てみましょう。 「『赤すぐ』『妊すぐ』出産・育児トレンド調査2003」では、出産にかかる総費用は、66.6万円とのこと。出産準備品の購入から入院や分娩費までをあわせると70万円程度の金額はかかるようです。
マイホーム購入のお金は、住宅金融公庫「フラット35利用者調査報告」(平成17年度)によると、 マンション購入者の平均購入価格は3,668万円。そのうち25%強の947万円を手持ち金として用意しているようです。
次に教育費です。教育費は、お稽古事や授業料など定期的に必要なお金と、入学金や入学準備のためのお金など入学の年に必要になるお金とに分けられます。定期的に必要となるお金は、生活費の一部と考えるのが一般的。 ライフイベントとしては、入学の年に特別に必要となる費用に注目します。
下の表は、教育費の中でも入学の年に必要になった特別なお金を抜き出したものです。 幼稚園から大学まで、入学初年度には特別なお金が必要になることがわかりますね。 教育費は、子どもの成長とともにまったなしのお金。ライフイベントにかかるお金の中でも、教育費は一番大切なものといえるでしょう。
<入学にかかるお金(幼稚園~高校> |
幼稚園から高校まで、私立でかかるお金は公立の3~5倍程度高くなっている。私立の入学金が目立つが、準備金でも私立のほうが高額なのがわかる。小学校の入学準備には公立でも20万円強かかるのに注意したい
(出典:「AIUの現代子育て経済考」) |
<大学の初年度納入金・授業料> |
私立医科系大学を除き、入学金では大きな差がない。逆に授業料の差が大きいので、毎年かかる教育費に注意したいもの(出典:「文部科学省」) |
夢や希望を重ねてマネープランを
このように、まずは今後必要となるであろうお金をあげていきます。これは、成長とともに必要となるお金。これらを把握した上で「海外旅行に行きたい」「留学をしたい」などの夢のプランを重ねていきましょう。必要になるお金と夢や希望のプランのお金をあわせて考えることで、お金をどのように準備すればいいかがわかってきますね。漠然と考えていた夢が、しっかりとした目標となって見えてきます。これが「マネープラン」と呼ばれるもの。
このように「ライフイベント」を考えれば、将来の夢のためのお金やモノがわかります。 また、家族の「ライフイベント」を一覧表にしたものを「ライフイベント表」といいます。このライフイベント表を作ってみると、家族の将来像が時系列に具体的に見えてきます。
次のページでは、ライフイベント表の例と作り方をご紹介しましょう。ライフイベント表を作ると、将来の家族像とともにお金に関するアレコレもわかります。