学歴や業種別に年収が100万円アップするタイミングについて解説します

年収が100万円アップするには、一体どれくらいの時間がかかるでしょうか? とはいえ、一般の会社員では収入が激増することはあまりなく、地道に昇給を重ねて収入アップをすることになります。
一般の会社員にとって、お給料は急激にアップするものでもない。年収100万円がアップするためには、いったい何年必要になるのだろうか……?

一般の会社員にとって、お給料は急激にアップするものでもない。年収が100万円アップするためには、いったい何年必要になるのだろうか……?

一般的な会社員の年収が100万円アップするには、どれくらいかかるかを学歴や業種別にご紹介します。
   

モデル賃金では年収100万円アップは生涯で4~5回

<モデル所定内賃金・一時金(年収) (万円)>事務・技術(総合職)の大学卒、高校卒のモデル賃金(学校卒業後、同一企業に継続勤務し標準的に昇進した時の賃金)と一時金から年収換算したもの (出典:厚生労働省 令和2年年賃金事情等総合調査)

<モデル所定内賃金・一時金(年収)(万円)>事務・技術(総合職)の大学卒、高校卒のモデル賃金(学校卒業後、同一企業に継続勤務し標準的に昇進した時の賃金)と一時金から年収換算したもの (出典:厚生労働省 令和2年賃金事情等総合調査)

厚生労働省が調査したモデル賃金と一時金を年収に換算した表を紹介します。モデル賃金・一時金とは、学校を卒業後すぐに入社し、同一企業に継続勤務、標準的に昇進した場合の所定内賃金(基本給、奨励給、各種手当)と一時金のこと。事務・技術職(総合職)の大学卒、高校卒のデータをまとめています。
 
大学卒の25歳で年収419万円、60歳では1008万円となっています。この差589万円。ということは、単純に計算して、年収100万円アップは5回程度あるということですね。高校卒では、20歳で年収311万円、60歳で788万円となっていますから、こちらは477万円のアップというところ。高卒では、年収100万円アップは4回程度という計算になります。
 

大卒20~40代は5年弱で年収100万円アップ

大学卒の年収を見てみましょう。25歳は年収419万円、30歳では545万円、35歳では669万円、40歳で795万円、45歳で911万円と確実に5年おきに年収は100万円以上アップしています。このように、5年おきに年収をみると、4回連続で100万円以上の収入アップ。いずれも120万円程度のアップとなっています。
 
大学卒業のモデル賃金では、25歳から45歳までの間は、5年も待たずに年収100万円がアップしているのがわかります。45歳まではトントン拍子に年収があがっていますが、50歳からは1000万円前後でほぼ横ばい。年収アップが見込めるのは45歳までということです。
 

高卒での年収100万円アップは5年以上

高校卒の賃金を見てみましょう。25歳で379万円、30歳で478万円とこの5年間で年収98万円アップと100万円には少し届きません。他の5年間でも年収100万円アップの時期は見当たりません。いずれも100万円には少し届かないといったところですね。高卒での年収100万円アップは5年以上かかるということです。
 
高校卒でも、50歳以降の収入はほぼ横ばい。こちらも年収アップが見込めるのは40代までですね。華々しく年収100万円アップ! はなかなか厳しいようです。
 

平均給与では年収100万円アップは2回だけ

年収といっても業種によって差が出るはずです。業種別の賃金アップ状況を見てみましょう。
 
<業種別及び年齢階層別の給与額(万円)>   国税庁が調査した民間企業における年間の給与の調査。業種別及び年齢階層別の給与額の平均が出ており、業種によって給与のばらつきがあるのがよくわかる(調査結果から1万円以下を四捨五入し、万円単位に筆者が編集)出展:令和元年分 民間給与実態統計調査(国税庁)

<業種別及び年齢階層別の給与額(万円)>   国税庁が調査した民間企業における年間の給与の調査。業種別及び年齢階層別の給与額の平均が出ており、業種によって給与のばらつきがあるのがよくわかる(調査結果から1万円以下を四捨五入し、万円単位に筆者が編集)出典:令和元年分 民間給与実態統計調査(国税庁)


表は、国税庁が調査した民間企業における年間の給与(給料・手当及び賞与の合計額)を、業種別及び年齢階層別にまとめたものです。全体の平均を見てみると、20歳代前半の年収が264万円、50歳代前半で一番給与が高く525万円となっており、261万円しか給与がアップしていないことがわかります。
 
この平均データから見ると、年収100万円アップすることは2回しかないという計算になります。前述のモデル賃金では4~5回はある計算でした。理想と現実は違うということですね。ひとつの企業で着実に昇進できれば年収もグンとアップするのでしょうが、実際の平均データではそうでもなさそうです。
 

電気・ガス:50歳代前半までは30年で600万円アップ

業種別の給与額を見てみると群を抜いて昇給している業種が「電気・ガス・熱供給・水道業」。平均給与も824万円と一番高い金額となっています。
 
20代前半で411万円だった給与が20歳代後半で514万円の103万増、30歳代前半で601万円、30歳代後半で712万円と111万円も増え、50代前半には1013万円となり40歳代後半898万円から115万円増と着実に昇給しているのがわかります。それも、5年おきに100万円前後のアップ。電気・ガス・熱供給・水道業では50歳代前半までは昇給はかなりいいペースです。
 
50歳代後半以降は下降していますが、他の業種とは違いかなり良い給与形態です。転職も少なく、就業期間も長くなるためより、モデル賃金に近い結果となっているようです。
 

製造:50代後半まで緩やかに昇給

次に注目したいのが、製造業。平均給与は513万円と、全体の平均よりは上となっています。
この業界で注目したいのが、50歳代後半まで緩やかに昇給していくところ。20歳代前半は322万円、20歳代後半は401万円と79万円アップしていますが、その後は30歳代前半457万円、30歳代後半507万円、40歳代前半542万円、40歳代後半578万円、50歳代前半627万円、50歳代後半630万円と少しずつですがアップしています。
 
20歳代後半で401万円、30歳代前半で507万円となっていますから、20歳代後半からでも、年収100万円アップが望めるということですね。
 

卸・小売、宿泊・飲食サービス:20代で100万円アップ、その後苦戦

業種によって給与の差は大きい。年齢があがるにつれその差は大きいので、就職前に検討したい

業種によって給与の差は大きい。年齢があがるにつれその差は大きいので、就職前に検討したい

次に就業人数が多い、卸・小売、宿泊・飲食サービス業を見てみましょう。卸・小売では、20歳代前半196万円から20歳代後半332万円と5年間で136万円アップしています。とはいっても、20歳代前半の年収が196万円とかなり低く抑えられています。20歳代前半は高卒や短大卒の給与が多く占めるので、当然といったところでしょうか。
 
その後、20歳代後半の332万円から100万円アップするのは、なんと40歳代後半。年収100万円アップに20年もかかっています。また、この後もほぼ変わらずといったところです。卸・小売業では、年収100万円アップは2回がやっとといったところですね。それも2回目は、20代後半から20年もかかっているのです。
 
また宿泊・飲食サービス業は20歳代前半がなんと143万円。20歳代後半が262万円と100万円アップはしていますが、その後はあまり増えることはなく、100万円アップは実現していません。

とはいっても、これらは給与所得者の平均です。卸・小売や宿泊・飲食サービス業では、短時間労働者の割合も多いかと思います。勤務時間や形態も異なる人たちの平均ですから、一概にこれらの業種の給与像とは一致していないとは思いますが、平均データからは厳しい状況が見えます。
 

年齢があがるほど100万円アップのハードルは高くなる!

このように見てみると、年収100万円アップというのはそんなに簡単には実現しないことがわかりました。一番早い時期でも、20歳から30歳代で5年はかかりそうです。業種によっては、5年以下で実現できそうですが、ごく限られた業種のみ。年齢があがると、年収100万円アップはかなり高いハードルになるようです。

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