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正社員と契約・派遣社員。給料の差はいくら?

非正規雇用の労働者が増えており、正社員として働きたくても、なかなか雇用してもらえないといいます。 急に職を失ってしまうかもしれないという立場にある非正社員は、精神的にもつらいものです。正社員と契約社員、派遣社員、パート社員などの非正社員の違いは、雇用の安定性と収入の差です。どれくらい給与に差があるのかを見てみましょう。

福一 由紀

執筆者:福一 由紀

ファイナンシャルプランナー / 仕事・給与ガイド

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非正規雇用と正規雇用、給料の差は?

雇用の多様化が進み、非正社員の労働者が増えている。正社員とそうでない場合、収入にどれくらい差がでる?

雇用の多様化が進み、非正社員の労働者が増えている。正社員とそうでない場合、収入にどれくらい差がでる?

非正規雇用の労働者が増えています。正社員として働きたくても、なかなか雇用してもらえないという話もよく聞きます。 突然、職を失ってしまうかもしれない非正社員は、精神的にもつらいものです。

正社員と非正社員の違いは他にもいろいろとありますが、一番気になるのはお金の話。収入がどれくらい違うかということ。今回は、厚生労働省が発表した「令和元年就業形態の多様化に関する総合実態調査」をもとに考察してみましょう。 
 

正社員と非正社員、月給20万円が大きな壁

<就業形態別 1カ月の賃金総額(税込)割合 (単位:%)>  就業形態別に令和元年9月の1カ月間に支払われた賃金総額(税込み・基本給の他、通勤手当、時間外手当等の諸手当を含め、税金・社会保険料を差し引く前の支給総額)の割合。 正社員のうち33.0%は、税込みの支給総額が20万円以上30万円未満となり一番高い割合になっている  (出典:厚生労働省「令和元年就業形態の多様化に関する総合実態調査の概況」)

<就業形態別1カ月の賃金総額(税込)割合(単位:%)>就業形態別に令和元年9月の1カ月間に支払われた賃金総額(税込み・基本給の他、通勤手当、時間外手当等の諸手当を含め、税金・社会保険料を差し引く前の支給総額)の割合。 正社員のうち33.0%は、税込みの支給総額が20万円以上30万円未満となり一番高い割合になっている  (出典:厚生労働省「令和元年就業形態の多様化に関する総合実態調査の概況」)


上は、就業形態別・男女別に、1カ月の賃金支給総額(税込み)がどれくらいの割合になっているかを表にしたものです。ここでいう支給額は、基本給、通勤手当、時間外手当などの諸手当を含め、税金・社会保険料を差し引く前の支給総額です。
 
正社員全体で一番割合が多いのが20万円以上30万円未満で33.0%となっています。また30万円以上40万円未満が25.4%、40万円以上50万円未満が15.6%と、高額での分布が多くなっています。
 
正社員以外の分布を見てみると、一番多いのが10万円以上20万円未満で41.7%、続いて10万円未満の27.4%となります。合わせると、7割弱が20万円未満ということになります。正社員の場合は、20万円以上が8割強です。見事に月収20万円でほぼ二分されました。
 

男性の正社員と非正社員の差はさらに大きい

正社員以外の人の中には、夫の扶養範囲で働いているパートの主婦なども多く含まれています。単純に正社員と非正社員と比べても、働く時間数が違うという側面もあります。そこで、男性での正社員と非正社員の賃金を比べてみましょう。
 
正社員の男性では14.4%が月給50万円以上となっていますが非正社員の男性で50万円以上は4.7%です。40万円以上50万円未満の割合について正社員男性は19.6%、非正社員男性は7.2%です。これらを合わせて、税込み月収が40万円以上は、正社員男性3割強に対して、非正社員男性だと1割強となっています。
 
非正社員の男性で一番割合が多いのは、10万円以上20万円未満のゾーンで38.0%を占めています。10万円未満も合わせると、なんと52.1%が20万円未満ということに。正社員で20万円未満は5.7%です。差は歴然ですね。
 
正社員と非正社員では賃金の格差が大きいことがわかりました。非正社員といっても、契約社員や派遣社員、パートタイムなどいろいろな形態があります。非正社員の中での契約形態とその賃金の差を見てみましょう。
 

契約社員の専門職は月10万円~20万円が4割近くに

<非正社員 就業形態別 一カ月の賃金総額(税込)割合 (単位:%)>  就業形態別に令和元 年9月の1カ月間に支払われた非正社員の賃金総額(税込み基本給の他、通勤手当、時間外手当等の諸手当を含め、税金・社会保険料を差し引く前の支給総額)の割合。(出典:厚生労働省「令和元年就業形態の多様化に関する総合実態調査の概況」)

<非正社員の就業形態別1カ月の賃金総額(税込)割合(単位:%)>就業形態別に令和元年9月の1カ月間に支払われた非正社員の賃金総額(税込み・基本給の他、通勤手当、時間外手当などの諸手当を含め、税金・社会保険料を差し引く前の支給総額)の割合(出典:厚生労働省「令和元年就業形態の多様化に関する総合実態調査の概況」)


表は、非正社員の雇用形態別の1カ月あたり賃金支給総額(基本給、通勤手当、時間外手当など、税引き前)の割合です。ここでの契約社員(専門職)とは、特定職種に従事し、専門的能力の発揮を目的として雇用期間を定めて契約する人とのこと。 

この契約社員の1カ月あたりの賃金は10万円以上20万円未満が37.7%、20万円以上30万円未満も34.4%を占めており、非正社員全体から見ると少しは賃金が高いですね。ただ、正社員は30万円以上40万円未満が25.4%だったのが、契約社員だと13.4%と大きく減っています。正社員と比べると契約社員はまだ賃金水準は低いといえるでしょう。  
 

元正社員の出向・嘱託は高額給与が期待できる

嘱託社員は定年退職者後に再雇用された人で、20万円以上30万円未満が40%を占めています。退職後なので、給与は抑えられているとはいえ、他の非正社員よりは若干待遇がいいですね。
 
出向社員とは、他企業より出向契約に基づき出向してきている人のことで、50万円以上が22.4%となっています。出向社員だけが、飛びぬけて高額に偏っていますね。これは、現役世代の出向社員も含まれているためです。
 
非正社員の中で高額給与の傾向がある嘱託社員や出向社員は、どちらも正社員からの派生パターンです。正社員にならないと、給与の高額ゾーンへはなかなか到達できないということです。
 

派遣は登録型より常時雇用型が高い

最後に、派遣労働者とパートタイムについて見ておきましょう。派遣労働者も2つに区分されています。登録型は派遣会社に派遣スタッフとして登録しておく形で、常時雇用型は派遣会社に常用労働者として雇用されている形です。
 
登録型は10万円未満が10.3%もあり、かなり低賃金な偏りを見せています。それに対して常時雇用型は、登録型よりも賃金が高い傾向にありますね。同じ派遣労働者でも、登録型よりは常時雇用型を目指すほうが収入は期待できそうです。
 
パートタイムは、10万円未満が39.7%も占めています。パートタイムは、正社員より1日の所定労働時間が短いか、1週間の所定労働日数が少ないとされているので、賃金も低めにでています。

いかがでしたか? 正社員と非正社員、雇用の不安定さももちろんですが、賃金の差も歴然です。入社直後の給与は変わらなくても、その後の収入格差はかなりありますね。先のことも見据えて仕事を選びたいものです。

 
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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