投資信託なら安心ということはない
投資信託は価格が変動する商品であるにも関わらず、なぜか「株より安全だから損はしないはず」と思っている人が多くいます。投資信託は、株式や債券等、日々価格が変動する金融商品に投資しているため元本保証はありません。投資信託は一般的に、投資信託の中で複数の銘柄に投資しています。株式投資で1銘柄だけを買った場合には、その銘柄が値下がりしたら損をします。しかし、投資信託の場合には、1銘柄が値下がりしても他の4銘柄が値上がりしている可能性がありますので、損失は小さくなります。
そういう点では、投資信託は株に比べればリスクは小さいですが、投資信託で損をしないということではありません。ですから、投資信託の買い時、売り時を見極めることはとても重要になります。
売買タイミングの考え方
例えば、株を投資対象とする投資信託は、株が値上がりすれば基準価額が値上がりし、株が値下がりすれば基準価額も値下がりします。つまり、株に投資する投資信託の売買タイミングの考え方は、株と同じタイミングが基本になります。日経平均株価(上)と日経225のインデックスファンド(下)を比較して、売買タイミングを考えてみましょう。赤い囲みが買い時で、水色の囲みが売り時です。
■日経平均株価の買い時・売り時
■日経225のインデックスファンドの買い時・売り時
日経平均株価が上昇している間は投資信託も上昇し、日経平均株価が下落したら投資信託も下落しています。日経225のインデックスファンドは日経225に連動するタイプですから、同じ値動きになるのは当然なのです。
このように、株に投資している投資信託であれば、どのような銘柄を投資対象としているのかを確認し、投資対象の株と同じように売買タイミングを考えていくことが基本になります。
長期で保有して損をする投資信託
次に、長期で損をする投資信託について見ていきましょう。ベア型の投資信託は、投資対象が下落することで基準価額が上昇する仕組みです。ですから、株式市場が上昇している時に長期で保有すれば、損失が膨らむことになります。長期での値上がりが期待できない投資信託を保有した場合には、儲けることは到底できません。
また、その時の時流のテーマ型の投資信託の場合には、流行りが終わって人気に陰りが出ると、みるみる値下がりすることも想像できます。時流を分析して売買タイミングを考えることが重要です。
投資信託は長期で保有すれば儲かるというイメージがあります。しかし、上昇し続ける株式市場があり得ないように、上昇し続ける投資信託もあり得ないと言えます。どんな金融商品に投資する投資信託なのか内容をまず理解して、そして、その金融商品の動向を見ながら投資信託の取引タイミングを考えていくことが大切です。
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