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住宅ローン控除と確定申告その1(2ページ目)

住宅ローン控除には、きちんと届け出をしたり、確定申告をしたりすることで受けられる恩恵がいくつかあります。3回の集中連載の1回目。転勤して戻ってきたとき、残りの期間があれば控除は再適用されます。

執筆者:菱田 雅生

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認められるのは転勤や出向

自分で勝手に転職した場合は再適用は受けられません
そして、重要なのが転居の理由。再適用が受けられる転居は、「給与等の支払をする者からの転任の命令にともなう転居その他これに準ずるやむを得ない事由」によるものと決められています。

これに該当するのは、通常の転勤だけでなく、出向など、会社命令によってやむを得ず転居しなければならない場合です。もともと転勤や出向の希望を出していたとしても、社命として転任するのであれば問題ありません。しかし、自己都合による転職などはダメ。会社が倒産して再就職する場合も基本的には認められないようです。

なお、再適用を受けるための転居は、平成15年4月1日以後の転居である必要があります。それ以前に家族とともに転居してしまっている場合は、将来自宅に戻ってきても再適用は受けられません。

賃貸に出していると再適用は翌年から

それから、再適用に関しては、自宅に戻ってきた年の分から住宅ローン控除が復活するのが原則ですが、自宅に戻る年に賃貸として貸し出していた場合は、その年の控除は受けられず、翌年からの再適用となる点には注意が必要です。

ただし、親族に無償で貸していた場合や、駐車スペースや庭の一部などを駐車場として貸し付けた場合などは、居住用家屋の賃貸ではないため問題はありません。

家族だけが戻っても再入居

ちなみに、再入居と判断されるのは、家族全員が自宅に戻ってきた場合だけでなく、家族のみが自宅に戻ってきた場合も含まれます。さらに、転居・再入居の回数や、転居から再入居までの期間については特段の定めがないので、短期間かつ複数回にわたって転居や再入居を繰り返しても、要件さえ満たしていれば、再適用が受けられることになります。

とはいえ、そもそも住宅ローン控除は、景気に対する波及効果の大きい住宅取得等を促進するための政策として行っている側面があります。だとすれば、本人が住んでいようがいまいが、1人当たり1物件までは適用を認めてもいいと思うんですけどね。



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