マーケティング/マーケティング環境分析

キーワードから読み解く2016年のヒット商品予想(3ページ目)

2016年も始まりました。今年はどのような商品がヒットするのでしょうか?今回は大きなマクロ環境のトレンド分析から2016年のヒット商品を占っていきましょう!

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

トレンドキーワード3 『IoT』

IOT

2016年は益々インターネットにつながった製品が増え、私達の生活を変えていく!

最後に社会・技術面で今年最も注目されるトレンドを見ていきましょう。

技術革新によるライフスタイルの変化で、より私達の生活の中で身近になることが予想されるのが『IoT』を活用した製品やサービスです。

『IoT』とはInternet of Thingsの略であり、簡単にいえばインターネットにつながった製品ということになります。これまで、私達が身近に利用していた製品でもインターネットにつながることによって、より便利な製品に生まれ変わることになるのです。

たとえば、日本では旧三洋電機から事業譲渡を受けたハイアールアジアは、今年冷蔵庫に『IOT』を活用した製品の投入を計画しています。

まず第1弾として、冷蔵庫の扉部分全面が液晶ディスプレイとなった大型冷蔵庫を発売。前面には32型のフルHDモニター2枚を搭載し、様々な情報が映し出せる仕組みになっています。OSにAndroidを搭載し、Wifi通信も備えるなど、まさに大型のスマートフォンと冷蔵庫が合体したような、これまでにない製品といっても過言ではないでしょう。

続く第2弾では、より多くの利用を促すためにディスプレイ1枚のコンパクトな冷蔵庫を開発。機能もさらに進化させ、たとえばジュースや食材など冷蔵庫内の在庫が少なくなった時点で、その場でディスプレイ上から商品の追加注文ができるなど便利なサービスを付加する予定です。

そして最終形の第3弾では、デザインにもこだわり、冷蔵庫の概念を覆すような、横長型のスタイリッシュなフォルムを採用。大型ディスプレイを4枚使用し、キッチンではなくリビングに置いたとしても違和感のないデザイン性の高い冷蔵庫を目指します。

このように従来の冷蔵庫に『IoT』というテクノロジーを組み込むことにより、私達の生活が飛躍的に便利になる可能性を秘めています。たとえば、冷蔵庫に入っている食材をリスト化したり、今ある食材で作れる料理を扉のディスプレイに表示したり、賞味期限を管理したり、在庫が少なくなった食材を自動で発注し補充したりすることだってできるようになるのです。

また、この『IoT』を活用した製品開発は、何も冷蔵庫ばかりでなく、他にも自動車やテレビ、時計やメガネ、果ては家の扉や鍵に至るまで、すでに様々な分野で製品化が進められています。この流れに乗って2016年も、より多くの『IoT』を駆使した製品が誕生することは間違いないでしょう。


PEST分析でマーケットの大きな流れをつかもう!

政治・経済・社会・技術というマクロ環境の変化は私達の消費行動に大きな影響を及ぼします。たとえば、今年は他にも夏にブラジルで開催されるリオデジャネイロオリンピックなども消費に大きな影響を及ぼすことになるでしょう。

今回はこのようなマクロ環境のトレンド分析から、今年注目を浴びるマーケットについて予想をしてきましたが、これはマーケティング戦略においてPEST分析と呼ばれる手法になります。

あなたも是非ともこのPEST分析を行って、今年はどんなトレンドがマーケティング戦略にとって重要な鍵を握るのかを占ってはいかがでしょうか?

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