確定申告/確定申告書の書き方

確定申告、分離課税申告書の書き方

土地・建物や株式を譲渡した場合や、申告分離課税を選択した上場株式の配当や退職所得などがある場合は、確定申告が必要です。申告書B様式と申告書第三表(分離課税用)の記入方法を解説しましょう。

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分離課税申告書の記入方法を解説

土地・建物の譲渡、株式の譲渡、申告分離課税を選択した上場株式の配当、先物取引、山林所得、退職所得がある場合には、所得税の「確定申告書B様式」の他に「申告書第三表(分離課税用)」(以下、分離課税申告書)を記載して、申告手続きをする必要があります。

この記事では、国税庁ホームページで公開されている「国税太郎さん」の記載例をもとに、分離課税申告書の記載の流れを解説します。

※確定申告書B様式はこちら、申告書第三表(分離課税用)はこちらからダウンロードできます。
※以下の記載例は平成25年分のものですが、平成26年分についても基本的な書き方は同じです。

はじめに確定申告書B様式(第一表・第二表)へ記入

まずは「確定申告書B様式」の記入方法について、簡単に触れておきましょう。

今回の申告者、国税太郎さんの前提条件(分離課税の対象となるもの以外)は下記のとおりです。

・給与の年収 7,140,000円     
・給与所得金額 5,226,000円 
・社会保険料控除 1,040,160円
・生命保険料控除 105,000円
・地震保険料控除 21,000円
・配偶者控除 380,000円
・扶養控除 630,000円
・基礎控除 380,000円
・源泉徴収税額 172,900円

これらの要素はすべて、年末調整で正しく処理されていれば、源泉徴収票から読み取ることができます。そして、これらの項目が分かった段階で、確定申告書B様式の第一表の左半分(下図参照)および源泉徴収税額の記載は終了です。
確定申告書B様式(第一表・第二表)に源泉徴収票から読み取れる箇所をまず記載(出典:国税庁ホームページ、以下同)

確定申告書B様式(第一表)に源泉徴収票から読み取れる箇所をまず記載(出典:国税庁ホームページ、以下同)

また、確定申告書B様式の第二表の記載も終了します。
確定申告書B様式(第二表)の記載例

確定申告書B様式(第二表)の記載例


次に、分離課税申告書の「収入金額」「所得金額」を記入

ここからは、「分離課税申告書」の記入方法について解説します。国税太郎さんの分離課税の対象となるものの各条件は、以下のとおりです。

■土地・建物の短期譲渡
収入金額:6,000,000円 / 所得金額:975,000円

■土地・建物の長期譲渡
収入金額:9,800,000円 / 所得金額:7,900,000円

■未公開株の譲渡
収入金額:1,200,000円 / 所得金額:562,000円

■上場株の譲渡
収入金額:24,600,000円 / 所得金額:6,000,000円

■先物取引
収入金額:1,800,000円 / 所得金額:600,000円

■山林所得
収入金額:27,400,000円 / 所得金額:10,032,500円

これらの要素は、分離課税申告書のそれぞれの収入金額と所得金額の欄に記載します(下図参照)。
確定申告書第三表(分離課税用)の収入金額・所得金額の記載例

確定申告書第三表(分離課税用)の収入金額・所得金額の記載例


税額を計算し、分離課税申告書の「税金の計算」欄に記入

社会保険料控除から基礎控除までの所得から差し引かれる金額(以下、所得控除)の合計は2,556,160円。給与所得5,226,000円からこの所得控除を全て差し引くことができます。

したがって、分離課税の各所得から差し引ける所得控除の金額は存在しないので、それぞれの分離課税の所得金額に、それぞれの税率が課されて税額が計算されます。内訳は下記の通りです。

■土地・建物の短期譲渡所得金額に係る税額
975,000円×30%=292,500円

■土地・建物の長期譲渡所得金額に係る税額
7,900,000円×15%=1,185,000円

■未公開株の譲渡所得金額に係る税額
562,000円×15%=84,300円(※)

■上場株の譲渡所得金額に係る税額
6,000,000円×7%=420,000円(※)

■先物取引の所得金額に係る税額
600,000円×15%=90,000円

■山林所得の所得金額に係る税額
10,032,500円×1/5×超過累進税率×5=515,700円

※記載例では、未公開株の譲渡所得金額に係る税額と上場株の譲渡所得金額に係る税額は合算して表記(504,300円)

そしてこれらに、

■給与所得に代表される総所得金額の所得控除後の金額に係る税額
(5,226,000円-2,559,520円)×超過累進税率=169,400円

が加えられ、税額2,756,900円が確定します(下図参照)。
確定申告書第三表(分離課税用)の「税金の計算」、税額の記載例

確定申告書第三表(分離課税用)の「税金の計算」、税額の記載例

ちなみにここで算定された169,400円ですが、源泉徴収票に記載された金額である172,900円とは一致しません。源泉徴収票作成時には復興特別所得税2.1%が付加されているため、
  • 169,400円×1.021=172,900円
となっているのですが、個々の税額計算の段階では復興特別所得税は付加しません。この点も、平成25年分以降の申告書作成のポイントです。

税率が課せられる前の金額のことを「課税所得金額」といいますが、分離課税用の申告書の左下を見ると、千円未満の数値にすでに0が印字されています。この段階で、千円未満の端数が切り捨て処理されます。

再び、申告書B様式へ。復興特別所得税も忘れずに

分離課税申告書で計算された2,756,900円を、確定申告書B様式(第一表)の右上部へ転記します。そして、この確定税額2,756,900円にまず、復興特別所得税を加算すると、
  • 2,756,900円×1.021=2,814,794円
ここから、すでに給与天引きなどで処理されている源泉徴収税額172,900円を差し引き、最終的な納付税額2,641,800円が算出されます(下図参照)。
確定申告書B様式(第一表)の「税金の計算」の記載例。この段階で復興特別所得税を付加します

確定申告書B様式(第一表)の「税金の計算」の記載例。この段階で復興特別所得税を付加します

ここでは百円未満の数値にすでに0が印字されています。納税額が生じる場合には百円未満の端数が切り捨て処理されることにも留意してください(還付税額がある場合は端数処理されず、きっちり1円単位まで還付されます)。

分離課税申告書の記載を始める前に

分離課税申告書の作成も、各所得の要素がきっちり計算されていれば、恐れることはありません。ただし、分離課税にはいろいろな税法上の特例がありますし、特例があることによって、今回の記載例で使用された税率と異なる場合も出てきます。

土地・建物の譲渡、株式の譲渡、申告分離課税を選択した上場株式の配当、先物取引、山林所得、退職所得がある場合には、次の3つを心得た上で申告書作成にとりかかりましょう。
  • 確定申告書B様式を書く
  • 分離課税申告書を書く
  • 該当する各種所得について適用できる特例を誤りなく適用する

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更新日:2015年01月26日

(公開日:2011年02月04日)

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