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赤字子会社の有効活用策(2ページ目)

グループ会社で赤字会社があった場合、合併することによって節税効果が得られることもあります。ただし、一定の要件がありますので実行には専門家にご相談を。

今村 仁

執筆者:今村 仁

中小企業・個人事業主の節税対策ガイド

赤字会社と適格合併を行うと・・・

適格合併赤字会社と適格合併を行うと、被合併法人がもつ繰越欠損金を引き継ぐことができます(原則としてこのとおりですが、企業グループ内企業組織再編では一部制限を受ける場合があります)。

例えば、多額の繰越欠損金のある関係会社を利益のある会社が合併したような場合には、利益と繰越欠損金が相殺できます。そして、従来払うべきであった税金分だけ、会社に内部留保できることになります。

そして引き継いだ繰越欠損金はさらに、翌年以後にも繰り越していけます。

一方、現在は合併により含み益のある資産が移転する場合には、その含み益に対して原則として課税(時価で譲渡があったものとみなす)することになっています。

しかし、この適格合併であれば、課税を繰り延べようということになっています。

適格合併とは

適格合併は、大きく次の2種類になります。
(1) 企業グループ内の合併
(2) 共同事業を営むための合併

(1)はさらにイ)100%支配関係にある企業間の合併と、ロ)50%超100%未満の支配関係にある企業間で行われる合併に区分されます。ロ)では、さらに事業や従業員の継続要件などが加わり、より厳しくなります。

(2)ではさらに詳細の要件を満たす必要があります。

100%支配関係にある会社同士での合併は、その100%を維持するだけで適格となります。

包括否認規定?

このようにすばらしい適格合併ですが注意点もあります。ただ単に節税だけを目的であると認定された場合には、形式的には適格合併であっても繰越欠損金の引き継ぎが認められないこともあります。これを、包括否認規定といいます。

慎重になりすぎることはありませんが、実行には専門家とよく相談されることをお勧めします。


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