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お客様に可愛がられるのはゴールではない⁉ 営業で目指すべき関係

売れる営業マンが陥るのが「お客様に可愛がられる」こと。確かに、ありがたく嬉しい状態です。でもそのままでは、あなたの成長と売上は頭打ちになってしまうはず。今回は、目指すべき営業スタイルについてお話ししていきましょう。

西野 浩輝

執筆者:西野 浩輝

営業ノウハウガイド

営業マンが陥る「お客様に可愛がられる」こと

お客様に可愛がられる営業マン

お客様に可愛がられる営業マン

あなたを可愛がってくれるお客様は何人いらっしゃいますか? 「たくさんいらっしゃます!」と答えたあなたは きっと、コミュニケーション上手。成績もなかなか、なのだと思います。

ただし! 「お客さんに可愛がられる」という状況というのは、営業スタイルの踊り場であっても、ゴールでは決してありません。今回は、目指すべき営業スタイルについてお話ししていきましょう。
 

<目次>

私を一大転換させたひと言

以前勤めていた会社で、私にもそんな時期がありました。つまり新米営業マンが通る、顧客恐怖症や営業不振から開放され、お客様との付き合い方もわかってきた。そして多少なりとも成績をあげていたのです。もちろん営業が楽しいと思えていました。

そんなとき、同行していた社内の人間から帰りがけにポツリと言われたのです。

「西野さんって、お客さんに可愛がられるよね」

はじめは、褒め言葉だと思いました。でもどうやら、そうではない。遠まわしの嫌味とも思える言い回しでした。よくよく考えてみると、そのお客様は、随分前から安定したリピート客で、関係は良好(と自分では認識していました)。

失礼はなかったにしろ、自分にとってはルーティンワークに近い状態になってしまっていたのです。愛想よく相手の言うとおりにしていれば、労せず受注が続いていくのですから。

つまり、 自分で新しく開拓したお客様のように、「何か価値のある提案をして、お客様を魅了してやろう」「お客様に貢献してみせよう」とは思えていなかったのです。
 

「可愛がる」はフェア、対等な立場関係ではない

そもそも「可愛がる」とは、どういう関係でしょうか。子供を可愛がる、部下を可愛がる、ペットを可愛がる。なんて表現しますよね。

では、こんな使い方はするでしょうか。社長を可愛がる、先輩を可愛がる、師匠を可愛がる……、とは言いませんよね。つまり「可愛がる」には上下関係が存在しているんですよね。

 

自分を可愛がってくれる、そんなお客様とは「良好な関係」を築けているようでいて、実際はただあやされていた(と言うと言いすぎですが)、強い尊敬を得るには至っていなかった。そして何より、そんな状態に私は「満足していた」のです。

自分自身のゆるさ、そしてそれを見抜かれたことに気づいたその夜は、悔しい気持ちでいっぱいになりました。私は、その日を境にお客様との目指すべき関係について、営業マンがもつべき気概について、探求するようになったのです。
 

目指すべきは尊重・信頼しあう関係

営業という名のメッセンジャーボーイに過ぎなかった自分。本来営業マンとは、商品とお客様との間を介在する重要不可欠なものであるべきです。

自分に不足していたのは、営業マンとしての「存在価値」を示すことでした。その「存在意義」を最大限に発揮するために、たどり着いたのが「イニシアティブ・セールス」という主導権を握る営業スタイル。

イニシアティブ・セールス(主導権営業)で押さえるべき必須スキルは以下の2つです。
 

1.お客さんとのコミュニケーションにおいて、対等な立場でやり取りができること

主導権を握るといっても、決してお客様に偉ぶるというのではありません。主導権を握った上で、現実ではお客様と対等の関係を築くことです。お客様が全員紳士的とは限りません。営業マンを見下して業者扱いする方もいます。ただ、優れた人間関係を築くには、尊重しあう対等な関係が不可欠。
 

2.お客さんを正しい方向に導く提案ができること

これは、場合によっては「お客様との対決を辞さない」ことになります。もちろん、自分の方が正しいと言い切れるだけの、知識と判断と根拠が必要です。加えてお客様と、意見は対立しても、関係は対立させないような、ハイレベルのコミュニケーションが必要。営業マンの腕の見せどころでもあります。

あなたは、全てのお客様から、尊敬、尊重されているでしょうか? もちろんあなたもお客様に対して社交辞令ではない敬意を払えているでしょうか? また全てのお客様を正しい方向に導く提案ができていますか?胸を張って言えるでしょうか?

ぜひこの2つの観点で、顧客リストを再点検してみてください。


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