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ウイスキー&バー/この店の、この一杯

この店の、この一杯 第37回 新宿『ル・パラン』の芳しい色香

2月末に移転していたのだが、あまり知られたくないので今日まで引っ張ってしまった。新しくなった新宿『ル・パラン』はさらに輝きを増していた。若いが審美眼のある本多啓彰氏のスピリッツが随所に生きている。

協力:サントリー
達磨 信

執筆者:達磨 信

ウイスキー&バーガイド

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かつて“あまり紹介したくない”と書いた新宿のバー『ル・パラン』を再度取り上げる。
実はこの2月に移転したためで、早く皆さんに知らせなければ、と思いつつも、やはり“あまり紹介したくない”気持ちが強くて筆を取ることができなかったのだ。
場所は以前とそう遠く離れてはいない。新宿三丁目、寄席の末広亭を目印に2、3軒隣りのビルの3階とだけ伝えておく。1階はたしかうどん屋さんだったと思うのだが、私はそういうことに無頓着な書き手なので当てにしないで欲しい。

以前『ル・パラン』はマーロン・ブランドがシガーを燻らしながらウイスキーを嘗めるような店と書いた。それほどしびれるようなバーだった。
席数が少なく、小ぢんまりとしていて、ひとりで行くのがふさわしかったし、まあよくてふたりでという渋い色香があった。昨年11月にオーナーバーテンダー本多啓彰氏が「移転しようと思うんです。もうちょっと大きな器になるかもしれません」と伝えてきた時はなんだか淋しいような残念な心持ちになった。

ところがどうだ。移転してたしかに広くはなったが、マーロン・ブランドが似つかわしいバーには変わりなかった。カウンターは以前と同じ無垢のブビンガ。バックバーの容貌もかつての姿を思い出させるものだった。ボトル棚はそっくりとアンティークのガラス引き戸の薬棚。そしてもうひとつ深い味わいのある棚が加わっていた。ふたつのソファもそのままにある。
嬉しかった。それにも増して瀟洒なつくりとなっていた。本多氏は30代半ばの若さだが、独特の審美眼を持つ。彼の思い、スピリッツが随所に見られ、よくぞここまでとひたすら感心した。

本多氏も店も時を積み重ねるほどに味わいを深めていくことだろう。映画『ゴッドファーザー』のマーロン・ブランドの世界へとより近づくことだろう。カウンターに積み重なった時間が色香を放つ、素敵な店にさらに高まっていくに違いない。
ちなみに『ル・パラン』とはゴッドファーザーの仏語である。

さて、おすすめの味わいは何か。実はかつて伝えたものと同じである。ゴールデンウィーク前にも出かけ、また飲んでしまった。
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