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夏場はトレイルランで逞しさを身につける!(2ページ目)

何回もサブスリー一歩手前で失敗してしまう原因は…。ちょっと過保護すぎるのでは? たくましさを起伏走やトレイルランで身につけ、マラソンという距離にも時間にも慣れてしまえばサブスリーは目の前に。

谷中 博史

執筆者:谷中 博史

ジョギング・マラソンガイド

フルマラソンを”困難視しないゆとり”を育む

ストップウォッチ
目標値ははっきりしている。逆算してスケジュールを組み立てるだけの話だ
マラソンで記録に近づくためのトレーニングについての考え方には、極端にいえば三つの極からのアプローチが考えられます。

1、想定するペースで走り続けられる距離を次第に伸ばす。1km4分15秒で走れるところまで走る。その距離を次第に伸ばす。

2、42.195kmを走る所要時間を徐々に縮める。とにかく、42.195kmを走り、その所要時間を次第に縮める。

3、サブスリーで要する時間(すなわち3時間)を走る。走力がつくにつれて次第に走行距離が伸びる。

私はレベル、段階に応じて、この三つのトレーニングをさまざまに組み合わせることをおすすめしますが、サブスリーを狙う上での重要度からすると3→2→1の順になります。

3時間は動き続けてサブスリーの体作り

サブスリーを目指す以上、時間的目標があるわけです。とにかく3時間は体を動かし続けることです。仲間と練習する時間が3時間に満たないなら、早めに練習会場に行って練習時間をかせぎましょう。体を動かし続けることによって、体の代謝機能も発達しますし、それまでに摂取した物が、時間の経過に従ってどのようにエネルギー化するのか実感できるようになります。もし、練習前に食事を抜いていれば後半は体が動かなくなることも実感できるでしょう。

ほかにも色々なシミュレーション(どのような補給物が食べやすいかとか、靴擦れ、股擦れなど、2時間ぐらいまでのランニングではわからないことが体験できる)の実験をするといいと思います。距離からすると30kmを優に越えますから、このトレーニングの頻度は1~2週間に1度でしょう。トレイルランで実行すれば、単独での練習でも飽きずにこなせます。

3時間を設定したトレーニングは、サブスリーを目指すランナーだけでなく、サブフォーを目指すランナーにもサブファイブを目指すランナーにも応用できます。この場合も時間は3時間程度で結構です。練習時に3時間を1km/6分で走り続けられれば、充分サブフォーは可能です。サブファイブの方は1km/7分で走り続けられればOKです。なぜその程度の時間でいいかというと、1km/6~7分というスピードは長続きするスピードだからです。そのスピードでなら、3時間を走り続けられる人は5時間ぐらいまで走れる可能性が高いのです。

42kmを走った時の体の変化をチェック

サブスリーを狙うレベルですと、後半の落ちこみをいかになくすのかが大きなテーマになります。そういう意味から「2」の42kmという距離に慣れるトレーニングも必要です。どのくらいの距離のところで体がどのように変調をきたすのかを、ときどき確認しつつトレーニングを組み立てます。

したがって、あまりゆっくりしたスピードではいけないし、失敗レース時のように途中から大幅にペースが落ちるようではいけません。後半がせいぜい5分以内の落ちこみにとどまるようなペースで走ります。このように42kmを走る練習を月に1回は走ってみることです。ただし、夏の間は過酷です。42km走は9月半ばくらいからでいいでしょう。

レースペースは、スピード感覚をつかむために

「1」の、速度からアプローチするトレーニングはたいへんです。サブスリーの力がない人がサブスリーのペースで走るのですから、必ず25kmあたりからペースがダウンすることでしょう。そこから先は苦しいだけで、スピードも落ちてしまいますからたいした練習になりません。疲れも残って翌日からの練習にも差し障ります。

マラソン時のペースを体に覚えこませるために、マラソンのレースペースで走ってみるのはいいとしても、その距離を次第に長くする練習だけで走力をつける方法は、効果がないわけではないですが、苦しいわりに効率が悪いということです。これは、月に1回程度ハーフマラソンのレースに出場してチェックすればよいと思います。ただし、ハーフですから、距離が短い分スピードは上がります。1km4分を目標とします。
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