美学の頂点 ベスト5:特に美しい建造物
白大理石が美しいタージマハル ©牧哲雄
「世界最高のイスラム建築」のひとつと呼ばれるのがアルハンブラ宮殿。庭園や彫刻など、宮殿内は美にあふれている。アテネのパルテノン神殿は人類史上でも稀有な建築物で、UNESCOのシンボルマークにもなっている。全体を見ても美しく、細部を見ても美しいのが残りの3件だ。庭園美とアラベスクが際立つイマーム広場、大理石と宝石の象嵌細工が美しいタージマハル、ジャングルとの一体感で魅せるアンコール、いずれも甲乙つけがたい。
人間の営為 ベスト5:すぐれた街や都市
城壁に囲まれたドブロブニク
ローマ帝国の遺構を伝えるのがローマ歴史地区だ。それだけでなく、地区内にはロマネスク、ルネサンス、バロックと、時代時代の傑作が立ち並ぶ。美しい街並みといえば「アドリア海の真珠」ドブロブニクと「眠れる森の美女」チェスキー・クルムロフで、どちらも街も小さく、歩き回るのが本当に楽しい。東洋と西洋、イスラム教とキリスト教が出会う街がイスタンブール。そして個人的に大好きなのがザンジバルで、世界一オススメしたい島でもある。
文化と自然 ベスト5:文化と自然の競演
バラ色の都市ペトラ
修道士たちは驚異的な自然景観を見て神を感じ、その過酷な地で修行を行った。それがメテオラ、カッパドキア、モンサンミシェルだ。メテオラとカッパドキアはこの世のものと思えぬ奇岩群、モンサンミシェルは海と島の調和で彼らを魅了した。断崖絶壁に囲まれた街で、映画『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』のクライマックスに登場したのがペトラ。砂漠の中にありながら、牛やワニ、魚など豊かな動植物を描いた壁画が残るのがタッシリ・ナジェールだ。
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さて、いろいろ紹介してきたが、もちろんこれらのランキングは世界遺産の優劣を表している訳ではない。世界遺産は顕著な普遍的価値を持つ文化遺産と自然遺産を守る活動であるわけだけれど、実は「普遍的価値」というのはそこら中に転がっているものだと、ガイドは考えている。
たとえばあなたのいるその部屋、その場所でも、一流の画家やカメラマンはすばらしい絵や写真を撮影することができるだろう。「死を前にするとすべてが美しく見える」というけれど、そんなことに気づくことこそが大切なのではないだろうか。
世界遺産を通してそんな目を獲得し、人生をより豊かなものにしてほしい。一人ひとりがそれに気づければいつか世界はきっと……そんな願いを込めて。
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