アンコールのジャングルで女神に出会う!
世界を見回しても、アンコールの遺跡群ほど繊細さ・華麗さと巨大さ・大胆さを兼ね備えた世界遺産はない。女神像やレリーフはミリ単位の精妙華麗な造形美を見せ、一辺数キロもの都市遺跡群はジャングルと一体化して美しいシンメトリーをなす。
それに、乗り換えの時間を入れなければ日本から7~8時間で行けてしまう近さもよし。はじめて海外の世界遺産を訪れるなら、まずオススメしたいのはこの遺跡だ。今回はそんなカンボジアの世界遺産「アンコール」を紹介しよう。
クメール族とアンコール王朝
セクシーなアンコールワットの女神像デヴァダー。アンコールには2,000体以上のデヴァダーがあるが、同じ表情、同じ姿のものはないといわれている
9世紀から勢力を伸ばしたクメール族は、アンコール帝国と呼ばれる大帝国を創り上げた。802年から1431年まで26代にわたる王を輩出し、最大版図は現在のタイ、カンボジア、ベトナム南部、ラオス南部にまで及んだ。
王の沐浴場、スラ・スラン。アンコールは水路やため池などの高度な水利システムに守られた水の都だった
アンコールとはサンスクリット語で「都市」を意味する。ここを聖域として多くの建築物を建て、やがてアンコールという言葉が地名として定着したようだ。一般にアンコールといったらこの王朝か建築物群を指す。いままで発見された遺跡だけでも60を超え、いまだジャングルに埋もれた遺跡が多数存在するといわれている。アンコールワットというのは、その60を超える遺跡のうちのひとつで、スルヤヴァルマン2世が建築したアンコール最大の寺院を指す。
ピミアナカス。どの遺跡も基本は中央が高いピラミッド型をしている
やがてタイのアユタヤ王朝の攻撃を受けるとアンコールは放棄され、都はジャングルに飲み込まれ、歴史の表舞台から消え去った。それから数百年後の1860年、フランス人学者アンリ・ムオーがこの遺跡を訪れた。ジャングルに覆われた、現地の人がほそぼそと参拝しているだけだったアンコールを西洋に知らしめると、ヨーロッパ中が「世紀の発見」と湧きかえったのである。
それではアンコールのハイライトとなる遺跡を勝手に四大遺跡と名づけて紹介してしまおう。