ヨーロッパの世界遺産

更新日:2010年01月29日

チェスキー・クルムロフ/チェコ

キラキラ輝くブルタヴァ川の曲線と、ボヘミアの深い緑、街並みのパステル・カラー。その美しさから人々はこの街を「眠れる森の美女」と評した。今回はチェコの世界遺産「チェスキー・クルムロフ歴史地区」にご招待する!

世界遺産「チェスキー・クルムロフ歴史地区」

ヨーロッパでもっとも美しいといわれる街のひとつ、チェスキー・クルムロフ旧市街。右上に見えるのがチェスキー・クルムロフ城

ヨーロッパでもっとも美しいといわれる街のひとつ、チェスキー・クルムロフ旧市街。右上に見えるのがチェスキー・クルムロフ城

ヨーロッパの古都で君がまず訪れなければならない街がふたつある——スロベニアからきた旅人はそういった。「ひとつがクロアチアのドブロヴニク、もうひとつがチェコのチェスキー・クルムロフだ」。私も賛成しよう。

チェスキー・クルムロフはボヘミアの深い森に守られて、中世から姿を変えることなくいまに伝わった。その街並みはまるで花束。ボヘミアの深緑の中、ブルタヴァ川は「Ω」型に輝いて、屋根のオレンジ、壁の白、ピンク、黄、青が咲いている。人々はあまりの美しさに、この街を「眠れる森の美女」と呼んだ。今回はそんなチェコの世界遺産「チェスキー・クルムロフ歴史地区」を紹介する。

森との戦い

こちらはチェスキー・クルムロフ城から見た旧市街。中央上に見えるのが聖ヴィート教会

こちらはチェスキー・クルムロフ城から見た旧市街。中央上に見えるのが聖ヴィート教会。チェスキー・クルムロフ城は、チェコではプラハ城に次ぐ大きさを誇る

ブルタヴァ川とチェスキー・クルムロフ城。ブルタヴァ川はドイツ語でモルダウ川

ブルタヴァ川とチェスキー・クルムロフ城。ブルタヴァ川はドイツ語でモルダウ川

太古の昔、人は森や川や大地や海とともに暮らし、そのめぐみに感謝し、万物に力を認め、その力を信仰し、畏敬して暮らしてきた。森が恐怖の対象になるのはキリスト教が浸透して以降のことである。

キリスト教は信仰を広めるなかで、多神教の神々や妖精たちを悪魔として追放しようとした。『グリム童話』、たとえば「ヘンゼルとグレーテル」や「赤ずきん」に見られるように、森は魑魅魍魎が住み着く暗黒の世界に姿を変えた。鉄器によって農業や林業技術が飛躍的に上昇した11世紀以降、大開墾時代がはじまった。

たとえばイングランドでは森の9割が消え去ったといわれているが、それは森に対する戦いであり、人間の自然に対する挑戦だった。 
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この記事の担当ガイド

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長谷川 大

フリーの編集者・ライター。出版社で編集者として勤務したのち退職、世界一周の旅に出る。これまでの訪問国…

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