いのうえ よしはる
慶應義塾大学卒業後、形成外科、一般消化器外科、乳腺外科、頭頚部外科、整形外科の研修を経て、現在、横浜いずみ台病院勤務。総合診療に従事しております。 2013.8.25 読売新聞「からだの質問箱」で巻き爪について執筆しました。 215.3.10 公明新聞で「ロコモティブシンドローム」を執筆しました。
膝蓋骨骨折の症状・診断・治療
膝蓋骨骨折は、膝蓋骨に直接もしくは間接的に外力が働き受傷します。事故、運動などで発生します。診断はX線により容易に診断がつきます。治療としては、保存治療と手術治療の2つがあります。骨折の種類により手術方法を選択します。予後は比較的良好ですので、早期に専門医を受診してください。
大腿骨頚部骨折の症状・診断・治療
大腿骨頚部骨折は転倒、転落、尻餅をつくなどが原因で発生する骨折です。症状は患部の疼痛、歩行不可能などです。診断は単純X線でつく場合がほとんど。稀にCTが必要となります。治療は手術が必要となります。ただし高齢者の場合、術後死亡することも十分考えられますので、慎重に手術の適応を決定することが求められます。
鎖骨骨折の症状・診断・治療
鎖骨骨折は上肢を伸ばして転倒したり、肩を下にして転倒したり、また直接鎖骨に外力が働き受傷します。事故、運動などで発生します。診断はX線により容易に診断がつきます。治療としては、保存治療と手術治療の2つがあります。時間をかけて保存治療という選択をすることの多い骨折です。時として手術療法を選択します。
ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)の診断・治療
母指の付け根の部分に皮下に2本の腱があります。ドケルバン病はその腱、短母指伸筋腱と長母指外転筋腱が手首の背側を通るところに生じる腱鞘炎です。治療は安静、鎮痛薬の投与、ステロイドの注射、腱鞘切開という手術です。
漏斗胸の診断・治療
漏斗胸は生まれつき胸郭の変形がみられる疾患です。時として不整脈、呼吸不全などの症状がみられますが、稀です。症状がない場合、外見が目立つのでそれを対象に治療が行われます。現在金属性の棒を長期間留置することで、胸郭の形態を矯正することが可能です。棒を入れるときと、抜くときの2回の入院が必要です。
腋窩多汗症の新しい治療法
腋窩多汗症は自律神経の失調により必要以上にわきの下に汗が出てしまう病気。いままでの塩化アルミニウム液という外用薬の治療が無効な場合、ボツリヌス毒素の皮下注射が新しく健康保険の適応となりました。費用は比較的高額ですが、効果が確実で副作用もほとんどないため、今後普及する治療法として期待されています。
ばね指の症状・診断・治療
ばね指は成人、小児にみられる手の炎症疾患の一つ。症状としては腱に一致した部位の発赤、熱感、疼痛、腫脹。治療は安静、ステロイドの注射でほとんど軽快します。この治療で症状が消えない場合、腱鞘切開を行います。大人の場合外来で治療できます。小児の場合、入院が必要となります。
慢性骨髄炎の症状・診断・治療
慢性骨髄炎は急性骨髄炎の後に発症します。稀に急性骨髄炎と診断されることなく発症します。症状は患部の腫脹、浸出、皮膚の発赤などです。血行のない腐骨があるため、抗菌薬などの治療で軽快しても再発する可能性の高い病態です。原因としては、急性骨髄炎、外傷、人工物、結核、放射線治療などがあります。治療は腐骨を除去し、時として周辺の骨、皮膚などを切除する必要があります。
急性骨髄炎の症状・診断・治療
急性骨髄炎は上気道感染、外傷、皮膚の化膿病巣などから細菌が骨髄に移行し発症します。初期の症状は患部の激痛です。病巣が拡大すると骨から皮下組織、皮膚に炎症が波及し、皮膚の発赤などが生じより診断が易しくなります。治療は入院後に、局所の安静、患肢の固定、抗菌薬を投与します。この治療の反応がよくない場合、手術を施行します。術後の抗菌薬の投与もかかせません。
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