発行事業者によって、「交通系」と「買い物系」に分けることもできる
電子マネーを発行元から分類することもできます。この方法によると、「交通系」と「買い物系」に分けることができます。「交通系」は、交通事業者が発行する電子マネーで、通勤、通学用のIC乗車券として利用されますが、残った電子マネーを使って、買い物にも使うことができるのが特長です。JR東日本のSuica、首都圏私鉄のPASMO、JR西日本のICOCA、関西圏私鉄・バスのPiTapaなどがあります。一方、「買い物系」は、クレジットカード会社や流通事業者が発行する電子マネーで、スーパーやコンビニなどの買い物に利用できます。プリペイド型のEdy、nanaco、WAONの他にポストペイ型のiD、QUICPay、VISATochがあります。
交通系と買い物系を比べると、交通系電子マネーが買い物に利用されるときには、利用単価が小さくなる傾向があります。交通系電子マネーは、通勤、通学に利用しなければならないために買い物に使う金額は抑え気味になるようです。
電子マネーをダウンロードして使う「おサイフケータイ」
カードだけでなく、携帯電話でも電子マネーが使えるように開発されたのが、非接触IC(フェリカ)を搭載した「おサイフケータイ」です。SuicaやEdyなどがこの携帯電話の中に入り、交通から買い物まで利用できます。使い方はカードのときと同じで、読取機にかざすだけと便利さは変わりません。おサイフケータイの特長は、電子マネー以外にもさまざまなサースが提供されること。ショップのポイントカードや会員証、映画・コンサートのチケット、マンションの鍵など幅広い用途に利用できます。
カードではできなかった機能も備えています。たとえば「履歴表示」がそのひとつ。交通や買い物の利用の履歴が携帯画面で簡単にチェックできます。また、いつでもどこでも登録したクレジットカードから電子マネーにチャージできるのも便利です。
決済だけでなく、ポイント、マイルの獲得もできる有利な電子マネー
さらに電子マネーを利用することで、ポイントをはじめとした特典の付く場合も増えています。たとえば、ANAが発行するEdy搭載のマイレージカードに現金をチャージし、約5万店舗ある加盟店でEdyを使えば、200円で1マイルが貯まります。セブンイレブンでnanacoを使うと100円で1ポイント貯まり、1円単位で買い物に利用できます。いまや電子マネーは決済だけでなく、ポイントやマイルといったお得を獲得する手段にもなっています。そうしたサービスをしっかり理解して電子マネーを上手に選ぶようにしましょう。次ページは電子マネーを活用するためのカード選び