オートバイというのは、危険な乗り物というイメージが一般化していることと、運転者の年齢が低いことからか、今まで保険会社は二輪・原付(以下バイク)用の保険商品開発にあまり積極的ではありませんでした。
しかし、それはもう過去のこととなりそうです。共栄火災が他社の先陣を切ってライダーのニーズに応える自動車保険を9月1日から発売するのです。「ライダーサポート」と名づけられたその保険は、今までもあったバイクの自動車保険に、かゆい所に手が届くような以下の3特約をセットしたものになっています。
★他車運転危険特約
(他人の2輪・原付を借りて運転した時の事故を補償)
クルマでもそうですが、バイクでも友人のものとと乗り比べをしてみたり、ちょっと借りたりする機会は多いものです。
そのような時、クルマなら任意保険の普及率が90%近いので、仮に事故が起きてもまず問題はありません。また、たとえ借りたクルマに任意保険がかけられていなくても、自分が自動車保険に入っていれば、他車運転危険特約が付いていますから、自分の身を自分で守ることができます。
しかし、現状ではバイクの任意保険普及率は約30%に過ぎず、単純に計算すると、友人のバイクを借りた時は70%の確率で任意保険には入っていないということになります。加えて、これまでのバイクの保険には他車運転危険特約がついていませんでしたから、自分ではどうしようもない部分がありました。
そこに、この他車運転危険特約付きのバイク保険の登場です。バイクでも自分の身は自分で守れるようになったということなのです。
★携行品担保特約
(携行中の身の回り品に生じた損害を補償)
バイクに積載中やツーリングなどに持って行った携帯電話・カメラ等の携行品に生じた損害について補償されるものです。(自宅から持ち出した身の回り品ならバイクで運んだかどうかは問わない)
★車両盗難時の臨時費用担保特約
(バイクが盗難にあった際の臨時費用を補償)
保険対象のバイクが盗難にあった際、警察に対する盗難届の提出と代わりのバイクの購入を条件に、臨時費用として2万円が支払われます。
最初の特約以外は、交通事故のリスクを回避するというバイク保険の本分から見ればまあオマケみたいなものですが、他車運転危険特約は他の保険会社もどんどん追随して欲しいものです。
この「ライダーサポート」がきっかけとなって、他の保険会社でもバイク用の新しい保険商品を積極的に開発するようになるといいですね。