自動車保険/自動車事故の対応はこうする

「過失割合」って何?(2ページ目)

交通事故が起きると、事故の状況に加え、当事者双方に交通違反や不注意がなかったか調査した後、過失割合が決定されます。この過失割合が多い方が加害者となり、少ない方が被害者となるのです。この「過失割合」についてご案内します。

西村 有樹

西村 有樹

自動車・バイク保険 ガイド

自動車保険の記事を多数手がけるガイドが、契約者の立場で自動車保険を簡単に解説します。

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過失割合の決め方

過失割合は認定基準をもとにしたうえで、事故の事情を加味して決定されます。

過失割合は認定基準をもとにしたうえで、事故の事情を加味して決定されます

交通事故が発生したら、「どちらがどれくらい不注意だったのか」を検討します。このお互いの不注意の割合のことを過失割合といいます。過失割合は当事者同士で決めるわけではなく、通常は加入している保険会社の担当者同士が話し合い、妥当な割合を決めることになります(過失0%の場合は該当しません)。

この過失割合決定には、道路交通法に定められた優先関係や運転慣行などをもとに、裁判官や弁護士によって作成された認定基準が用いられます。この基準にのっとって、それぞれの事故に固有の事情を加味しつつ、過失割合が決定されます。そして、この過失割合に応じて、お互いの損害賠償額を決定することになります。

歩行者、自転車などの過失割合は低め
しかし交通違反で損害額が相殺される

たとえ歩行者でも交通違反をすれば「過失」となり損害額は大きく相殺されてしまいます。くれぐれも交通ルールにはご注意を。

たとえ歩行者でも交通違反をすれば「過失」となり損害額は大きく相殺されてしまいます。くれぐれも交通ルールにはご注意を

例えば損害額が1億円だった場合、お互いの過失割合が50:50だったら50%の5000万円に対して賠償責任が発生します。これらは相手のケガ、財産などに対しても共通の考え方です。具体例をあげると「60:40で被害者となった場合、1億円の損害が発生。しかし自身の過失分40%の4000万円は受け取れない」ということです。これが「過失相殺」という考え方で、加害者は、損害額から被害者の過失を考慮した分を減額した形で賠償することになります。

ちなみに車と歩行者や自転車との事故の際、車だけに過失が発生するわけではありません。交通弱者(歩行者、自転車)でも信号を無視したり、横断禁止の道路を横切ったりすれば、過失が発生し損害額は相殺されてしまいます。ドライバーはもちろん、歩行者であっても交通ルールには十分注意しておきたいものです。
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