「お酒を飲むから自転車にしよう」は犯罪行為
飲み会のある日は自転車もNGです。 |
度重なる飲酒運転の事故により、平成19年に道路交通法が改正され、飲酒運転は厳罰化がなされました。その結果、飲酒運転は減少傾向にあります。ところが、自転車の飲酒運転については、乗る側が深く考えていないのが実情のようです。
「近所の飲み屋までだから大丈夫」「自分は全然酔わないから平気」……などという言い訳は通用しません。自動車の飲酒運転とまったく変わりがないのです。罪の意識がない人がほとんどだと思われますが、実際には犯罪行為となります。
道交法の条文をよーく見てみると……?
ここで道路交通法の酒気帯び運転に関する項目について、確認してみましょう。■道路交通法65条第1項
何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。
この「車両等」が指すのは「自動車」「バイク」のほかに「自転車」も含まれています。つまりお酒を飲んで酔った状態で自転車を運転すると、理論的には上記の条文が適用されて、懲役刑もしくは罰金刑が科せられます。
酒に酔って自転車に乗れば、突然逮捕されることも十分にありえるわけです。
注意1秒、ケガ一生。自転車の酒酔い運転
便利な乗り物が一瞬で凶器となる可能性も。くれぐれもご注意を
軽い気持ちで乗ったはずが、社会的にも経済的にも重大なダメージを受ける結果に。その内容は以下のとおりです。
■酒酔い運転の当事者
酒酔い運転をした自転車の運転者には、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
■酒酔い運転するとわかっていながら自転車に同乗、または自転車を貸した人
自転車を貸し与えた者には、酒酔い運転をした者と同じ5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
■自転車に乗るとわかっていながら、お酒を提供したり勧めたりした人
お酒を提供したり勧めたりした者には、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
以上は刑事罰です。このほか、人身事故を起こせば、被害者に対し民事上の損害賠償責任を負い、ケガによっては数千万円単位で損害賠償を命じられる可能性もあります。
自転車事故でも死傷者は発生。まずは心構えをしっかりと
「たかが自転車」と甘く見てはいけません。実際、自転車にかかわる死亡・傷害事故は多数発生しています。■自転車乗用中の事故データ
交通事故件数:12万1040件(19.2%)
死傷者数:12万529人(15.3%)
(カッコ内は交通事故全体に対する割合。日本損害保険協会「知っていますか? 自転車の事故~安全な乗り方と事故への備え」より一部抜粋)
いずれも平成25年中のデータです。死傷者の約2割が高齢者、4割が若者と子どもで占められているのが特徴的です。
自転車の高速化、またはスマートフォンを操作しながら運転するなどの不注意から、大きな事故につながるケースが増えてきているのが実情です。
交通事故で発生する損害は、たとえ自転車によるものであっても自動車の場合となんら変わりなく、場合によっては賠償金が数千万円になります。例え保険に加入していても、飲酒運転で事故を起こせば保険金が出ない可能性も。まさに人生を棒に振ることになります。
自分のため、家族のため、もしもお酒を飲んだら自転車は押して歩いて帰りましょう。
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