第2条 2 この法律で「運行」とは、人又は物を運送するとしないとにかかわらず、自動車を当該装置の用い方に従い用いることをいう。 |
と、少しわかりにくいのですが、判例をみるかぎりでは、個別の事情により前後の走行行為と一体で「運行」にあたるかどうか判断されるようです。たとえば、翌朝運転するつもりで夜間路上駐車していた場合などは「運行」にあたると解されています。
動いてなければ過失なし?
ところで、自賠法で責任を負わなかったとしても、自動車の所有・管理に何らかの落ち度があれば、民法上の不法行為責任を負う可能性があります。「動いていない車には責任がない。」などと言われたりすることがありますが、決してそのようなことはありません。たとえ動いていなかったとしても、事故の原因になってしまうことは十分に考えられますし、実際に動いていなくても過失が認められたケースが多数存在します。
とはいえ、やはり止まっている車に自らぶつかった場合などは、ぶつかった側に、より大きな責任が発生しますので、駐車していた相手方の責任を問うことができたとしても、過失相殺によって(詳しくはコチラ)大幅に減額されることになるでしょう。
ちなみに一般道路に駐車中の車両に追突した場合の過失相殺率については、別冊判例タイムズ「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」にも載っていますので、興味のある方は、一度ご覧になってみてはいかがでしょうか。
場合によっては刑事事件に!?
先月のメルマガ(登録はコチラ)でもご紹介しましたが、自転車競技の練習中に駐車車両に激突した高校生2人が死亡するという痛ましい事故がありました。報道によれば、現場が駐車禁止区域だったこともあって、路上駐車していた男性は当初、自動車運転過失致死罪の容疑で事情聴取を受けたそうです。この事故については、最終的に道路交通法違反ということで落ち着くようですが、場合によっては刑事事件にもなりかねませんので、路上に駐車する際には、くれぐれも周囲の状況に気をつけてくださいね。